『ハート・オブ・ビースト』はひと粒で4度おいしい ブラピ映画としても犬映画としても見事

『ハート・オブ・ビースト』4つのジャンル

 ファイト一発映画、デヴィッド・エアー映画、2つの美味しさを持ちつつ、さらに本作はブラピ映画でもある。ブラピといえば、今のアラフォー的にはハリウッドきってのハンサムガイ。若い頃のブラピの元カノは「ベッドで目を覚ますたび、隣でギリシャ彫刻が眠っているのかと思った」的なコメントを残すなど、桁外れの男前だ。なんだかんだで62歳、しかも今回は犬とW主演だが、そこは人間代表である。ふとした瞬間にハンサムオーラを解放するや、キャンプするブラピ、着替えるブラピ、子どものように笑うブラピなどなど、たちまち映画がエドウィン503のCMと化す。やっぱ男前やなぁと、うなるばかりである。

 そしてトドメと言わんばかりに、本作は犬映画としてツボをビシバシ突いてくる。とにかく犬がかわいい。私は愛犬家ではないし、ペットを飼ったこともない。それでも胸に込み上げてくるものがあった。クライマックスは犬と暮らした経験のある人なら号泣必至ではないか。エアー監督もここぞとばかりに、普段は封印しているベタと泣かせのつるべ打ちで攻めてくる。エンディングの「Stand By Me」のカバーも染みる。あと本作の犬も演技が抜群に上手い。見どころはたくさんあるが、個人的には飛行機が墜落するシーンで、心臓発作を起こしたブラピを前足で抱きしめるシーンが涙腺に来た。「ヒシッ」と効果音が聞こえた気がするほどだ。『落下の解剖学』(2023年)の犬も演技が上手かったし、種として演技力が進化している可能性もある。これからの時代、人間の相棒はAIよりイッヌだろう。

 ファイト一発映画として、デヴィッド・エアー映画として、ブラピ映画として、犬映画として、本作には観客が期待するものが確かにある。私も犬を飼いたくなった。やはりイッヌやネッコは人間にとって、かけがえのない友である。まぁ、今の私の甲斐性的には、ペットは100均のサボテンくらいしか引き受けることができないのだけど。

■公開情報
『ハート・オブ・ビースト』
全国公開中
出演:ブラッド・ピット、J・K・シモンズ、アンナ・ラム
監督:デヴィッド・エアー
製作総指揮:デイミアン・チャゼル、スコット・ランプキン、キャメロン・アレクサンダー、クリス・ロング、ピート・キャペッタ、アントニー・ティッタネグロ、アンドリュー・ラリー、ソフィ・キャシディ、ザック・コンロイ、オリヴィア・ハミルトン、マーティン・ボーウィン、デヴィッド・エアー、ブラッド・ピット
製作:オリヴィア・ハミルトン、マーティン・ボーウィン、デイミアン・チャゼル、ブラッド・ピット
脚本:キャメロン・アレクサンダー
配給:東和ピクチャーズ・東宝
©2026 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
公式サイト:https://heart-of-the-beast.jp/

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