『ナイト ミュージアム』の面白さはなぜ色褪せないのか 子どもの空想と大人の再出発

 ラリーは最初から頼れるヒーローだったわけではなく、むしろ何をやってもうまくいかず、息子からも心配されているような父親だ。博物館でも最初は逃げ回ってばかり。それでも、展示物たちと向き合いながら、自分なりの方法で問題を解決していく。そんなラリーを見守る存在が、ロビン・ウィリアムズ演じるテディ・ルーズベルトだ。個性の強い展示物たちが騒ぎを巻き起こすなか、テディはどこか落ち着いた存在で、ラリーが迷ったときにはそっと背中を押してくれる。ロビンが持つ柔らかさや温かさも相まって、ラリーにとって心強い存在として作品に安心感を与えてくれている。

 子どもの頃に観たときは、恐竜やモアイ像、ジェデダイアたちのやりとりばかりを楽しんでいた記憶がある。それが大人になってから観ると、ラリーの物語が思った以上に身近に感じられるのだ。仕事がうまくいかない。周囲から頼りなく思われている。何より、大切な息子には格好いい父親だと思われたい。そんなラリーが、誰か別の人間になろうとするのではなく、偶然たどり着いた場所で自分の役割を見つけていく。夜の博物館というとんでもない世界を舞台にしながら、描かれていることは意外なほど現実的なのだ。

 子どもなら、「博物館がこんなふうになったらいいな」と素直に楽しめるし、大人になってから観れば、仕事も家庭もうまくいかないラリーが、自分の居場所を見つけていく物語としても楽しめる。そして何より、『ナイト ミュージアム』には、途中から観ても思わず画面に釘付けになってしまうような場面がいくつもある。走り回るティラノサウルス、ガムを欲しがるモアイ像、ラリーにまとわりつくデクスター。どれもすでに知っている場面なのに、いざ始まるとやっぱり面白い。そうした変わらない楽しさこそが、本作が長く愛され続けている理由なのだろう。

 久しぶりに観る人も、何度目かの人も、またラリーたちと一緒に、あの騒がしい夜を楽しみたくなるはずだ。

■放送情報
『ナイト ミュージアム』
日本テレビ系『金曜ロードショー』にて、9月18日(金)21:00〜22:54放送
出演:ベン・スティラー(檀臣幸)、ロビン・ウィリアムズ(岩崎ひろし)、カーラ・グギーノ(高乃麗)、ディック・ヴァン・ダイク(中村正)、ミッキー・ルーニー(永井一郎)、ジェイク・チェリー(千葉翔也)、スティーヴ・クーガン(水野龍司)、リッキー・ジャーヴェイス(佐藤晴男)、ビル・コッブス(坂口芳貞)、ラミ・マレック(小森創介)ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、ブラッド・ギャレット(玄田哲章)、オーウェン・ウィルソン(森川智之)、ミズオ・ペック(本田貴子)、パトリック・ギャラガー
監督:ショーン・レヴィ
脚本:ロバート・ベン・ガラント、トーマス・レノン
製作:ショーン・レヴィ、クリス・コロンバス、マイケル・バーナサン
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