『スワロウテイル』三上博史が涙の理由を明かす 「あの時の自分は間違ってなかった」
9月4日よりTOHOシネマズ日比谷ほかで公開される『スワロウテイル 4Kリマスター』より、主演を務めた三上博史のオフィシャルインタビューが公開された。
『スワロウテイル』は、公開当時33歳だった監督・岩井俊二が『Love Letter』に続いて世に放った長編映画第2作にあたる。2025年の東京国際映画祭にて4K版が上映されたが、今回公開される『スワロウテイル 4Kリマスター』は、東京国際映画祭上映バージョンにさらにブラッシュアップを重ねたものとなる。
キャストには、三上博史、Chara、伊藤歩、江口洋介、アンディ・ホイ、渡部篤郎、山口智子、大塚寧々、桃井かおりが集結。英語・中国語・日本語が入り混じる世界観の中、夢を追う者たちのエネルギッシュな姿を体現した。音楽監督・小林武史が手掛けた劇中のバンド“YEN TOWN BAND”の楽曲群も本作を象徴する要素となっている。
本作の初号試写で冒頭から涙が溢れたという三上は、その理由について「いろいろな感情が混ざり合わさっているんだろうな、と感じて1つずつ検証したのですが、自己肯定感だったんだなと思います」と語り、「役者という職業は正解がないので、表現やアプローチに対して迷いや後悔がいっぱいあるんです。もちろん、その時の自分が『これだ!』と思ったものを表現するのだけど、それでもやっぱり撮影中にもそういったネガティブな感情は湧いてきます。『スワロウテイル』の撮影当時のことを、すべてはっきりと覚えているわけではないけれど、作品に、役に、3ヶ月くらいどっぷりと入っていて。フェイホンの衣装や髪型、言語をどうするのかといった造形的な準備を含めたら、もっと長い時間どっぷりとやっていたはず。そして今回の初号を観た時に『あの時の自分は間違ってなかった』と思ったんです。作品を観ての感動ももちろんあるけれど、役者としての自分を肯定して愛おしくなっちゃたりとかして。だから今があるんだって思えました。やってきたこと、選んできたこと、縁を持たなかった作品もあるけれど、そういうこと全部があったから今に繋がる。これでよかったんだなと思いました」と当時を振り返った。
続けて、「今回、生まれ変わった『スワロウテイル』を観て、ちゃんとフェイホンが存在していたと思えたというか。役者としてのアプローチは人それぞれだけど、あの時、フェイホンをやった僕のアプローチは間違ってなかったと思えたっていうのかな」と芝居のアプローチについてコメント。続けて、「個人的に“役作り”という言葉は嫌いだけど、フェイホンはやっぱり作るしかない。そういった時に、僕の感性をありったけ広げて、そこに足りないものを習得していくアプローチをします。それが言語であれば英語であり中国語でもある。でも中国語をただ喋ればいいわけじゃない。僕がイメージする、監督がイメージするフェイホンってヤツの中国語なわけだから。そういった言葉から始まって、表現、アクション、所作みたいなことも必要になっていきます。たとえば、どうやってタクシーを止めるのかとか、どういう時に英語に変わるのかとか。そういった意味の役作りでは、僕は、自分を消す作業が一番大事だと思っているんです。不可能だけど、自分が出てこないようにするというか」と役作りについて語った。
改めて、『スワロウテイル』は自身にとってどのような存在かを問われると、「参加できてとても幸せでした。撮影の篠田(昇)さんとは本当にバジェットのない映画もインディで一緒にやってきたこともあったから、最後に一緒にこんなすてきな作品を作ることができて本当に良かったと思っています」と回答。「観て損はないと思うので、30年前生まれていなかった方には、ちょっと観てみようかな、くらいの気持ちで気軽に観てほしいです。観て損はないはず。それだけは保証できます。そして、ずっと愛し続けてきてくださった方には、4Kリマスター映像とDolby Atmosによる音響で、今まで見えていなかったものを見つける、新たな楽しみ方も堪能していただけるとうれしいです」とメッセージを寄せた。
■公開情報
『スワロウテイル 4K リマスター』
9月4日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
出演:三上博史、Chara、伊藤歩、江口洋介、アンディ・ホイ、渡部篤郎、山口智子、大塚寧々、桃井かおり、河井真也
脚本・監督:岩井俊二
音楽:小林武史
“Swallowtail Butterfly ~あいのうた~”YEN TOWN BAND(プロデュース:小林武史 ボーカル:Chara EPIC/SONY RECORDS)
原作:『スワロウテイル』岩井俊二(角川文庫/KADOKAWA刊)
撮影:篠田昇
照明:中村裕樹
美術:種田陽平
CGディレクター:原田大三郎
製作プロダクション:ロックウェルアイズ
配給:ポニーキャニオン
日本初公開日:1996年9月14日/148分/日本/カラー
©SWALLOWTAIL PRODUCTION COMMITTEE
公式サイト:https://swallowtail4k.jp