timelesz 寺西拓人の“色っぽさ”は唯一無二 『ラストノート』澄晴に視聴者が惹かれる理由

 このシーンを分析して思ったのは、彼の色気は目、そして“間(ま)”に宿っているということだ。

 これを一番に感じたのは第6話の終盤。2人がお互いの想いを通わせたシーンでのこと。葵を大事そうに抱きしめたときの手の動き、そしてゆっくりと浮かべた笑みは、まるでドラマや映画の回想シーンのようにスローモーションに見える。日常生活においても、私たちは愛おしく大事に思う時間にこそ、ゆっくりとした時間の流れを感じることが多い。それを巧みに表現したのが、このシーンだったのだ。

 さらに言うならば、第7話の予告も圧巻。2人で夏らしく線香花火を楽しんでいるシーンで、2人が重ねていた手をゆっくりと恋人繋ぎするシーン。わずか5秒強……! 2人の後ろ姿だけの映像なのに、ここまでドキドキとさせられるのは、やはり5秒かけてゆっくりと繋ぎ合う、その手の動きに色気が宿っているのではないだろうか。

 両想いになった喜びで舞い上がってしまっているというよりも、随所に2人の「この恋は永遠ではない」と知っているかのような気持ち、だからこそ、この一瞬を大切にしたいという思いが見え隠れする。残念ながら、ここから先、2人の恋が順風満帆に進んでいくという展開は、正直なところ想像できない。なんなら、澄晴の未来が明るくなる展開だって希望は薄い。だからこそ、このゆったりとした一挙手一投足が愛おしいのである。

 少し話はずれるが、寺西といえば、8月5日発売の雑誌『anan(アンアン)』第2507号(愛とSEX特集)の表紙およびグラビアに抜擢されたことも記憶に新しい。同企画といえば、もはや毎度名物となっている企画なのだが、今回のシチュエーションには例年との違いを色濃く感じた。

 今までの同特集は、どちらかと言うと燃え上がるような熱い夜を彷彿とさせるようなもの。色気を前面に出し、夏の夜にふさわしく熱を帯びているがゆえにほんの少し汗や体温を感じるようなものが多くあったイメージだ。

 しかし、それに対して、今回のグラビアタイトルは「ぬくもりの記憶」。大人の恋人同士の甘い時間だけでなく、ゆっくりとした時間が流れる翌朝の雰囲気が演出されていた。特に表紙に選ばれた写真は、相手を愛おしそうに見つめる表情が印象的。あえてわかりやすく、歯を出して笑うこともなければ、目尻の皺をくしゃっとさせているわけでもない、けれども、たしかに相手を愛おしく大切に思う表情が表れているのだ。このグラビア企画からも寺西の目線のすごさを感じた人は多いことだろう。

 寺西を表す“国民の元カレ”という愛称も不思議だ。残念だけど、国民の彼氏ではなく、元カレ。過去に付き合っていた人にすぎない。ただ、寺西を表現する“元カレ”像は、何年経っても「いい恋だった」と振り返りたくなるような人なのだ。きっと、このドラマ、そして澄晴というキャラクターをきっかけに、そのポジションを今まで以上に根付かせていくことだろう。

■放送情報
木曜劇場『ラストノート』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00〜22:54放送
出演:内田有紀、寺西拓人、坂井真紀、桜井日奈子、草川拓弥、徳井義実、佐々木蔵之介ほか
脚本:的場友見
演出:相沢秀幸、中前勇児
プロデュース:三竿玲子
主題歌:椎名林檎「裸」(EMI Records/UNIVERSAL MUSIC)
制作・著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
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