『スワロウテイル』の裏側を岩井俊二監督が語る 26種のオリジナルグッズ発売も決定

 9月4日よりTOHOシネマズ日比谷ほかで公開される『スワロウテイル 4Kリマスター』より、岩井俊二監督のインタビューコメントが公開された。

 『スワロウテイル』は、公開当時33歳の若手映像作家だった岩井が『Love Letter』に続いて世に放った長編映画第2作。先んじて2025年の第38回東京国際映画祭にて4K版が上映されたが、この度公開となる『スワロウテイル 4Kリマスター』は、この東京国際映画祭上映バージョンにさらにブラッシュアップを重ねたもの。

 キャストには、三上博史、Chara、伊藤歩、江口洋介、アンディ・ホイ、渡部篤郎、山口智子、大塚寧々、桃井かおりらが名を連ね、音楽監督は劇中のバンド“YEN TOWN BAND”の曲も手がけた小林武史が担当している。

 岩井は『スワロウテイル』の企画経緯について、「実は『Love Letter』の話が来る前に考え始めていた企画になります。『undo』『PiCNiC』もその後に撮ったので、『スワロウテイル』はかなり最初から頭にあった作品です。だから意外にも第一作の『Love Letter』がもともとテレビ用の企画を映画にしてほしいと請われて『急遽作らなくてはいけなかった映画』だったのに対して、『スワロウテイル』は『もともと作りたかった映画』なんですね」とその背景を語る。

 三上のキャスティングについては、「三上博史さんは、自分的には大好きだった寺山修司の『草迷宮』の主演者でもあり、90年代はいわゆるトレンディ・ドラマのスターだったので、ぜひご一緒したい人だった。だから実は初稿があがった段階で読んでいただいていたんですが、でも『こういう企画はなかなか実現が難しいんじゃない?』って言っていましたね」と当時を回顧。CHARAについては、「CHARAさんはもともと僕がファンとしてCDを買ったりしていたんですが、『FRIED DRAGON FISH』のエンディングに曲を使わせてもらって、当時彼女がCMにも出始めていたので、それならぜひ映画に出てほしいと思ったんです。それで『スワロウテイル』の前に一度映画を経験してもらおうと思って『PiCNiC』を撮った」とキャストティングの背景を明かした。

 また、公開を記念して、26種のオリジナルグッズの発売も決定。「円都市場」と「ムビきゃん」「Filmarks Culture Wear」「FREAK'S MOVIE(FREAK'S STORE)」の計4社が連携し、劇中の印象的なシーンや象徴的なモチーフを、それぞれのクリエイティブとものづくりで再解釈したアパレルコレクションを展開。ラインナップは、Tシャツ、パーカー、キャップ、雑貨など、作品の世界観をファッションへと落とし込んだアイテムで構成。9月4日より、公開劇場および各社オンラインストアにて、順次販売・受注販売が開始される。

 劇場公開に先駆け、8月20日からは、オフィシャルショップ「円都市場」限定で先行販売の実施が決定。伊藤演じるアゲハの印象的なシーンをデザインしたTシャツ1種と、Chara演じるグリコが劇中で着用するキャップを再現したレプリカキャップが、一足早く登場する。

 また、各社の対象商品購入者には、本企画限定のノベルティステッカーが数量限定でプレゼントされる。

岩井俊二 コメント

企画の成り立ちについて

テレビドラマ『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』が終った1993年の9月くらいからだいたい2カ月で初稿を書いたんです。だから実は『Love Letter』の話が来る前に考え始めていた企画になります。『undo』 『PiCNiC』もその後に撮ったので、『スワロウテイル』はかなり最初から頭にあった作品です。だから意外にも第一作の『Love Letter』がもともとテレビ用の企画を映画にしてほしいと請われて「急遽作らなくてはいけなかった映画」だったのに対して、『スワロウテイル』は「もともと作りたかった映画」なんですね。製作当時は円が90円台を推移している最も円高の時代だったので、おかげさまでロサンゼルスで編集ができました。
今回はそれから30年を経て、円のパワーについては全く状況が変わってしまったなかでの4Kリマスター版公開というわけです。

日本語、中国語、英語など、移民的な言語が飛び交うことについて

『スワロウテイル』でこだわった点はまさにその「言語」で、割と日本映画って外国語の会話の表現がおざなりだったでしょう? たとえば片方が英語を話して字幕が出て、片方が日本語を話している(笑)みたいなおかしな表現が昔はざらにありましたよね。一方で、今では考えられないのだけど、90年代って日本の若い観客が公然と「あ、邦画は観ません」と言っている時代で、ちょうど日本酒やウィスキーが不人気な時代があったように邦画が好まれなくなっていた。逆にシネ・ヴィヴァンみたいなミニシアターで字幕付きのヨーロッパ映画を観るのはカッコいい、みたいな時代だったから、そこはもう逆手に取ってクレジットタイトルも英語だし、外国語の会話の部分もちゃんとリアルにやる、ということを徹底しましたね。

キャスティングについて

三上博史さんは、自分的には大好きだった寺山修司の『草迷宮』の主演者でもあり、90年代はいわゆるトレンディ・ドラマのスターだったので、ぜひご一緒したい人だった。だから実は初稿があがった段階で読んでいただいていたんですが、でも「こういう企画はなかなか実現が難しいんじゃない?」って言っていましたね。
CHARAさんはもともと僕がファンとしてCDを買ったりしていたんですが、『FRIED DRAGON FISH』のエンディングに曲を使わせてもらって、当時彼女がCMにも出始めていたので、それならぜひ映画に出てほしいと思ったんです。それで『スワロウテイル』の前に一度映画を経験してもらおうと思って『PiCNiC』を撮った。
伊藤歩さんは、実は『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』のオーディションで真っ先に会った子なんですが、ちょうどその頃頭にあった『スワロウテイル』前段階の殺し屋と少女アゲハの話に凄くぴったりだ、とインスピレーションが働いて「ぜひアゲハを演ってほしい」と思ったんです。ただ『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の少女ではないかなと思ったら、次に入って来たのが奥菜恵で、こちらにもピンと来てすぐ起用を決めたんです。だから不思議なこともあるもので、この時のオーディションは、なんとこの二人にしか会っていないんですよ。 ただ『スワロウテイル』で伊藤歩さんに再会した時は、このオーディションのことは覚えていませんでしたが(笑)。渡部篤郎さんの場合は、東海テレビの『愛の天使』という帯ドラマを観ていたら、「この昼メロであまりにも異質な演技 をする人がいる」と気になって来まして(笑)、オファーしたんです。

■公開情報
『スワロウテイル 4K リマスター』
9月4日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
出演:三上博史、Chara、伊藤歩、江口洋介、アンディ・ホイ、渡部篤郎、山口智子、大塚寧々、桃井かおり、河井真也
脚本・監督:岩井俊二
音楽:小林武史
“Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜”YEN TOWN BAND(プロデュース:小林武史 ボーカル:Chara EPIC/SONY RECORDS)
原作:『スワロウテイル』岩井俊二(角川文庫/KADOKAWA刊)
撮影:篠田昇
照明:中村裕樹
美術:種田陽平
CGディレクター:原田大三郎
製作プロダクション:ロックウェルアイズ
配給:ポニーキャニオン
日本初公開日:1996年9月14日/148分/日本/カラー
©SWALLOWTAIL PRODUCTION COMMITTEE
公式サイト:https://swallowtail4k.jp

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