福原遥が俳優として大切にするポリシー 「自分自身にも役柄に対しても“嘘をつきたくない”」
興行収入45.4億円を突破する大ヒットを記録した2023年公開の映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』。その続編となる完結編『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』が公開を迎えた。前作から7年後、高校生から高校教師となった主人公・加納百合を、前作に続き再び福原遥が演じている。物語の舞台は、戦争の直接的な描写があった前作から一転し、現代へ。7年という空白期間の感情をどう抱え、止まったままの時とどう向き合ったのか。前作の反響を背負いながら挑んだ福原の新たな挑戦に迫った。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
プレッシャーと不安からのスタートだった『あの星』
――前作の大ヒットを経て、続編の製作が決まったときの率直な心境から教えてください。
福原遥(以下、福原):本当にビックリしました! まさか続編ができるとは思っていなかったので。前作がたくさんの方に愛していただけたからこその続編なので、すごく嬉しい反面、「またあの大切な思いを皆さんにお届けできるのだろうか」というプレッシャーは強く感じていました。
――百合が高校生だった前作から7年の時が経ち、本作で百合は高校の教師になっています。同じ役とはいえ、7年の空白を表現するハードルの高さもあったのではないでしょうか。
福原:教師という役柄自体がほぼ初めてだったので、まずは「ちゃんと先生に見えているかな……」という不安からのスタートでした。でも、百合は大人になって、生徒たちに戦争や彰(水上恒司)の思いを伝えるために生きてきたけれど、心のどこかでは「あの頃の百合」のまま時が止まっているんですよね。彰への思いは7年経っても何ひとつ変わっていなかったので、そこは前作と変わらない純粋な思いのまま現場に臨むことができました。
――今回は監督やスタッフ陣も一新され、キャストにも細田佳央太さんや倍賞千恵子さんが新たに参加されています。2年ぶりの「百合」としての現場の空気感はいかがでしたか?
福原:がらりとチームが変わったのでとても新鮮でした。監督ご自身も「続編を手がけるのはドキドキだね」とおっしゃっていて。私自身も不安があったので、クランクインの段階から「みんなで支え合って良いものを作っていこう」と声を掛け合いながら撮影に入りました。初共演の細田佳央太さんも、初めましてとは思えないほどの安心感があって、あっという間にみんなの距離が縮まっていきました。
――新城毅彦監督による繊細な演出も印象的でした。今作は切ない葛藤を描きつつも、細田さん演じる涼とのシーンなど、心がふわっと明るくなるような透明感がありましたね。
福原:本当にそのバランスが絶妙で、新城監督の手腕には脱帽しました。今作は内容が盛りだくさんでギュッと詰まっていたので、「どう繋がってまとまるんだろう」と思っていたんです。でも映画を観たときに、ひとつひとつの感情を丁寧に拾い上げて綺麗な物語としてまとめてくださっていて感動しました。苦しい場面の中にも、爽やかでキラキラした光が差し込むような、絶妙なバランスで成り立っている作品だなと感じます。
――劇中、倍賞千恵子さん演じる千代とのシーンは、観ている側の胸を強く打つ圧巻の場面でした。あのお二人でのシーンがクランクアップだったそうですね。
福原:まさか倍賞さんとご一緒できるなんて思ってもいなかったので、本当に光栄でした。現場でお会いした瞬間から「あ、千代ちゃんだ……」と肌で感じられて。一言二言のセリフを交わすだけで、温かくそっと背中を押してくれるような強い思いを届けてくださったんです。一人の役者として忘れられない、本当に貴重で感動的な経験になりました。