生見愛瑠は“言葉にはしない感情”を見せるのが上手い役者だ 『GTO』で光る“ヒロイン力”

 28年ぶりに連続ドラマで復活した『GTO』(カンテレ・フジテレビ系)で、“めるる”こと生見愛瑠が、めちゃくちゃいい味を出している。彼女が演じているヒロイン・柏原実央は、合理的で効率を重視する“THE 今ドキ女子”。トラブルを避けるために生徒や同僚と一定の距離を置いてきたが、型破りな鬼塚英吉(反町隆史)の“お目付け役”に任命されたことをきっかけに、少しずつ鬼塚のペースに巻き込まれていく。

 この巻き込まれ方が、実にいい。鬼塚が熱くなればなるほど、柏原は冷めた態度を取る。この“冷め”こそが、鬼塚の熱さをより際立たせているように思う。ただ、柏原は冷めているけれど、冷たいわけではない。面倒なことには深入りしないように一線を引きながらも、どこかで放っておけない気持ちがにじむ瞬間がある。

 生見は、この本音の部分を説明的な芝居にはせず、纏っている空気感をふっと変えることで表現している。冷めているときの柏原と、思わず心が動かされてしまったときの柏原とでは、纏う空気の温度がまるで違うのだ。表情を大きく変えるわけでも、感情をあからさまに見せるわけでもない。それなのに、「あ、心が動いたんだな」と分かる。

 考えてみれば、生見は以前から、こうした“言葉にはしない感情”を見せるのが上手い役者だった。

 2021年放送のドラマ『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』(日本テレビ系)で初めて彼女の演技を見たとき、その憑依力に衝撃を受けたのを覚えている。同作で生見が演じた橙野ハチ子は、言うならば、究極のヒールだった。想いを寄せる黒川森生(杉野遥亮)が、弱視の赤座ユキコ(杉咲花)に恋をしていることに気づくと、「森生は、目の前に困っている人がいると放っておけないから、あなたのこと放っておけないのかも。わたしもこれ(=白杖)持ちたいなぁ」なんて言い出す。正直、かなり嫌な女である。

 ただ、生見の芝居には、ハチ子の心ない言葉の裏に潜んだ“本音”が垣間見える瞬間がある。大好きな森生を取られてしまうかもしれないという焦りや不安。その奥にある寂しさまで透けて見えるのだ。ハチ子は、「寂しい」とか「不安だ」なんて言葉は口にしない。それでも、生見が纏う雰囲気が、言葉にはならない感情を雄弁に語っていた。

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