櫻井翔演じる竹本が愛おしすぎる 『ハチミツとクローバー』に刻まれた“神名言”の数々

“あの”印象的なモノローグ以外にも、神名言が潜んでいる

 本作には、印象的なモノローグがいくつも登場する。

 まずは、冒頭の「人が恋に落ちる瞬間を、初めて見てしまった」というモノローグ。これは、竹本が初めてはぐみを見た瞬間、隣にいた真山(加瀬亮)のモノローグだ。ここで、「あっ、この人、恋に落ちたんだな」ということが全人類に伝わるような表情ができる櫻井もすごい。だからこそ、“恋に落ちる瞬間を描いた名モノローグ”として、20年経ったいまでも語り継がれているのだ。

 そして、個人的には「桜の花が好きだ。でも、なんでだろう。散ってしまうとホッとする」という竹本のモノローグにもグッときた。わたしは、桜が咲いている間は、「お花見をしなきゃ」とか「この季節を満喫しなきゃ」とか、どこかに焦りを感じてしまうことがある。これは、クリスマスや年末年始にも似ている。街が浮き足立つイベントの時は、「自分も楽しまなきゃ」と思ってしまうからこそ、終わるとフッと肩の力が抜けるのだ。

 もちろん、このモノローグについての解釈は人それぞれあると思うが、「同じ気持ちの人、いたんだ」と救われたような気持ちになった。

 また、「こいつらの目で見たら、世界はどんなふうに見えるんだろう」という花本の言葉にも、大共感した。わたしも職業柄、素敵な言葉に触れると、「一瞬でもいいから、こんな言葉を紡げる人の頭で世界を見てみたいな」と思うことがある。ちなみに、原作漫画には「一度、はぐになって、はぐの目で世界を見てみたい。どんなふうに見えるんだろう、ってね。他人をそういう気持ちにさせる。そういうのを才能って言うんだろうね」という言葉が登場する。この一節を読んだ時、「“才能”の定義をこんなにも美しく言語化できる羽海野チカ、恐るべし……!」と思った。

 さらに、『ハチクロ』では、主題歌にスピッツの「魔法のコトバ」、エンディングテーマに嵐の「アオゾラペダル」が起用されている。この2曲は、エンドロールで堪能することができるので、ぜひリバイバル上映でチェックしてほしい。

■公開情報
『ハチミツとクローバー』
渋谷ホワイトシネクイントにて公開中
出演:櫻井翔、蒼井優、伊勢谷友介、加瀬亮、関めぐみほか
原作:羽海野チカ
監督:高田雅博
配給:アスミック・エース
2006年/116分/日本
©2006 羽海野チカ/集英社「ハチミツとクローバー」フィルムパートナーズ

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