見上愛、『風、薫る』と歩んだ1年を振り返る 「またこの仲間と出会えるように頑張りたい」
佐野晶哉のひたむきさに受けた刺激
――お互いに刺激を受ける部分も多かったのでしょうか?
見上:すごく多かったです。私と樹里ちゃんは役へのアプローチの仕方がまったく違っていて。彼女はものすごく感受性が豊かで、直美という役と心を深くリンクさせながら撮影に臨むタイプなんです。隣で彼女のお芝居を見ているだけで、心が大きく揺さぶられているのが伝わってくる瞬間が数えきれないほどあって。ロジカルに考えがちな私にとって、彼女のその柔軟で繊細な表現は、私自身の大きな学びになっていました。
――りんにとって大切な存在となるシマケン役の佐野晶哉さんの印象を教えてください。
見上:佐野さんは、ずっと年上だと思っていたくらいしっかりされているんです。お芝居の立ち姿にも妙な落ち着きがありながら、自分が好きなものやこのお仕事を一生懸命極めていこうとする姿が、劇中のシマケンとすごく重なって見えました。また、アイドルなどの他の活動もされていて本当にお忙しいはずなのに、現場で弱音を吐いている姿を一度も見たことがなくて。フランス語の長い追加セリフが入ったときも、ひたすら練習を重ねてベストな状態で挑もうと努力されていたひたむきな姿に、自分ももっと頑張らなきゃと思わされました。
――第19週では、感染症の医療現場のシーンや、中村倫也さんの登場も描かれました。
見上:第19週は、一度看護の世界から離れたりんが、「やっぱり自分の手で誰かを救いたい」と改めて自覚する大きな週です。かつて父上が亡くなったときに何もできなかった後悔から知識を得て技術を磨き、父上と重なる状況で誰かを救うことができた。過去の傷から完全には解放されなくても、それを大切に抱えたまま前に進む原動力になる週になったと思っています。ちなみに中村倫也さんは、登場シーンがむしろにくるまれている状態からの撮影だったので、最初は私、まったく気づかずに素通りしてしまって……。後から慌てて挨拶に行きました。
――『風、薫る』を通じて「看護師の仕事」に対して、見上さんの中で気づきや考え方の変化はありましたか?
見上:クランクイン前は技術的な素晴らしさに目がいっていたのですが、演じたり実際の看護師の方々とお話しする中で、「患者さんの心を見て、寄り添っていく仕事なんだ」と強く感じました。正解やマニュアルがない中で、病気と付き合う人がどういう人生を選択し、何が幸せにつながるのかを常に考えていく。私が想像していた以上に、深く心を使うお仕事なんだと気づかされました。
――最後に、作品を見守り続けてきた視聴者の方々へメッセージをお願いします。
見上:1年間撮影するのも長いですが、半年間放送を観ていただくのもすごく長い時間だと思います。まず、一緒に見守り、走り続けてくださっている皆さまに心から感謝をお伝えしたいです。これから物語の結末に向けて、りんと直美の2人がどういう人生の選択をして、自分たちが生きている時代や世の中にどんな「風」を起こしていくのか。ぜひ注目して観ていただけたら嬉しいです。最後までどうかあたたかく見守ってください!
■放送情報
2026年度前期 NHK連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:見上愛、上坂樹里
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介
演出:佐々木善春、橋本万葉ほか
写真提供=NHK