見上愛、『風、薫る』と歩んだ1年を振り返る 「またこの仲間と出会えるように頑張りたい」

 明治から大正という激動の時代を舞台に、トレインドナースとして看護の道を切り拓く主人公・一ノ瀬りん(見上愛)と、そのバディである大家直美(上坂樹里)の姿を描く、NHK連続テレビ小説『風、薫る』。

 撮影がいよいよ大詰めを迎える中、主人公・りんを約1年にわたって演じてきた見上愛に、これまでの撮影を振り返りながら、りんの変化や、バディである上坂樹里との信頼関係、そして看護という仕事を通して実感した心の通い合いについて、たっぷりと語ってもらった。

過濃密な1年を経て、変化していくりんの“正しさ”

――約1年にわたる長期の撮影も、いよいよラストスパートに入りました。現在のご心境を聞かせてください。

見上愛(以下、見上):実はまだあまり実感がなくて、今は毎日立て込んでいる撮影にみんなで全力で挑んでいる状態です。「ラストスパートを撮っているんだな」という気持ちは、すべてが終わってしばらく経ってから実感として湧いてくる気がしますね。(上坂)樹里ちゃんやスタッフさんたちも含めて、平日は毎日顔を合わせることが当たり前になっていた1年間でした。この過酷で濃密な時間を経たからこそ、それぞれが次の場所で頑張れることがあると思います。この仲間たちと、またどこかで出会えるように頑張っていきたいです。

――一ノ瀬りんという女性の第一印象と現在では、変化した部分はありますか?

見上:最初はすごくのんびりしていて、思ったことを正直に口にしてしまう「自分を貫く人」だと思っていました。ほわっとしている人に見えるけれど、知れば知るほど芯の強さに驚かされる人物だな、と。ただ、演じ進める中で彼女もたくさんの悩みや葛藤に直面しました。これまでのりんは自分の思う正しさに自信を持って行動していましたが、第15週からの迷いを経て、ここから先は「そもそも正しさって何だろう」「正しさは一つじゃないんだ」と気づいていく日々が続きます。その中で彼女はまた一段と成長していくのだと思っています。

――これまでの撮影で、印象に残っている楽しいシーンや、逆に苦労したシーンを教えてください。

見上:楽しかったのは、やっぱり女学校時代にみんなで集まっていた期間です。私自身も女子校出身なので、当時のことを思い出すような空気感があり、温かい現場でした。バーンズ先生役のエマ・ハワードさんもチャーミングな方で、クランクアップのときはみんなで寂しがって涙していました。逆に一番大変だったのは、第14週から第15週にかけての時期です。今まで看護する側だった彼女の心が少しずつ疲弊し、現代でいう適応障害に近いような、心が深く病気になっていく姿が描かれます。それをどう表現すべきかものすごく悩みました。でも、そこを逃げずにしっかり演じきったからこそ第16週以降につながっていると思うので、やりきれてよかったです。

――大家直美を演じる上坂樹里さんとのバディ関係も本作の大きな見どころです。改めて、見上さんにとって上坂さんはどのような存在でしょうか?

見上:彼女はキャスト発表のときからずっと、自分より年下とは思えないほど落ち着いていて、本当に頼もしい存在でした。物語の初期は、りんが直美を輪に入れたりアシストしたりすることが多かったのですが、物語が進むにつれて、逆に直美がりんの道を力強く導いてくれるようになります。ただ手を取って引っ張るのではなく、りんが正しい道へ一歩踏み出すためのきっかけを常に与えてくれるのが直美なんです。1年を通して、そんな唯一無二のバディ感がどんどん強まっていきました。

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