『ALIUS』最終話にまだ間に合う! “キーパーソン”神崎透流を演じる中川大志の圧巻の存在感

神崎透流(中川大志)が魅せた衝撃展開

 その最たるものは、第4話のラストで描かれた。神崎も「ALIUS」だという驚愕の事実である。

 この衝撃の展開が訪れるまで、中川が立ち上げる神崎のキャラクターは、“科学オタク”的なものだった。好奇心ばかりが先行し、空気の読めない言動を取ることもしばしば。事件現場で場違いな振る舞いをしてしまうことも多々あった。

 しかしだからといって中川はこれを、記号的なものにはしない。捜査に同行するようになったばかりの神崎の言動は、たしかに場違いなものが多かった。そのいくつかに触れてみて、「現実世界にこんな人間はいない」と胸の内で断言していたオーディエンスもいるのではないだろうか。だが、中川の芝居は現実離れしたものなどでは決してなく、神崎が内包する無邪気さを、まるで夏休みの研究に夢中になる少年のようなものとして彼は表現していた。

 そしてこの表現が、神崎をフィクションの世界の住人に押し込めることなく、むしろ私たちの誰もが親近感を覚えるものにしてみせていただろう。つまり、この変わり者の青年は中川の表現によって、とても現実的な存在になっていたのである。

 だからこそ、神崎が「ALIUS」だと分かったときは衝撃的だった。この少年のような人物が、“国家のリスク”にもなりかねない存在だというのだ。ここで、それまでの中川の芝居が効いてくる。こんなにも純粋な青年が、特殊な力を持っていることに気づいたからといって、危険な存在になり得るだろうか。佐野と同様に、私たちの誰もが問われることになっただろう。

 しかし物語はここで終わりではない。怒涛のクライマックスに向かって、加速度的に緊張感を高めつつある。

 自身の秘密に気がついたときの神崎のリアクションは、とても生々しいものだった。けれども中川の演技そのものは、決して深刻そうなものではなかった。この驚くべき事態に対するリアクションを重々しくではなく、軽やかに表現してみせることで、その後の展開への弾みがつく。撮影はストーリーの流れに沿った順撮りではなかったようだが、中川は作品の全体像を把握しながら、細やかなプランを組み立てていたという。佐々木がこの作品を率いる者ならば、中川はその芝居によって、『ALIUS 』の特異な作品世界を支える存在なのである。

 神崎は、彼独自のリズムとペースで生きている。これまでにいくつものマイペースな人物を演じてきた中川にとって、これはハマり役だ。しかしながら神崎は自身が「ALIUS」であることを知り、そのアイデンティティに揺れが生じた。いままでと同じままではいられない。この揺れと、神崎がどう向き合うのか。そして、その心の変化を中川がどう体現してみせるのか。残る最後のエピソードでは、その細部にこそ注目したい。

■放送・配信情報
連続ドラマW-30『ALIUS -特定事象捜査ファイル-』
WOWOWにて、毎週日曜22:00〜放送・配信中
出演:佐々木蔵之介、中川大志、恒松祐里、長谷川初範、猪塚健太、池田良、松浦祐也、大河内浩、山中崇、坂井真紀
監督:山本大奨
脚本:小島聡一郎
音楽:TAKASHI TSUZUKI、都筑清太郎
プロデューサー:井口正俊(WOWOW)、稲熊洋介(楽天)、中澤研太(東北新社)、鳴海波奈子(WOWOW)、安藤有希子(楽天)
原作:ALIUS プロジェクト/WOWOW・楽天
制作プロダクション:東北新社
製作著作:WOWOW
放送・配信ページ:https://wod.wowow.co.jp/program/203537
第1話無料配信中:https://www.youtube.com/watch?v=o9AxkbHfGKo
※視聴にあたり、YouTubeへのログインを求められる場合あり
「ALIUS プロジェクト」公式サイト: https://content-central.rakuten.net/content/live_action/alius

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