岡田将生は悪役で真価を発揮する? 韓ドラ初出演で証明した“世界基準”の演技力
『田鎖ブラザーズ』(TBS系)で演じた田鎖真役もその一人だ。同作は、時効を迎えた両親の殺害事件を追い続ける兄弟の物語。兄・真は刑事でありながら、両親を奪った犯人への復讐を心に誓っている。岡田は、その危うさを怒りや狂気としてあらわにするのではなく、感情を押し殺した静かな芝居の中からじわじわと滲ませた。
岡田将生、『田鎖ブラザーズ』で“新たなフェーズ”へ 王道回帰の魅力をドラマライターが熱弁
岡田将生は、一癖ある役やヒール役で新境地を開拓してきたが、主演作『田鎖ブラザーズ』では王道の刑事役に挑戦しており、俳優として新た…Jという殺し屋も、その奥にまだ別の顔を隠しているように映る。ラフなジャージに身を包み、まるで”朝飯前”といわんばかりに、ターゲットを軽々と始末していく。人の命を奪うことに気負いも興奮も見せず、淡々と任務を遂行する姿には、どこか掴みどころのない危うさが漂う。
岡田の悪役といえば、映画『ゴールド・ボーイ』で演じた東昇が印象的だった。東は、遺産を手に入れるため、義理の両親を躊躇なく殺害するサイコパス。穏やかで品のある佇まいのなかに狂気を潜ませる芝居は、一見、少年のような無邪気さを見せるJにも通じるものがある。「何を考えているのか分からない不気味さ」をまとわせる巧さこそ、岡田将生の持ち味なのだ。
岡田は近年、実写作品だけにとどまらず、『果てしなきスカーレット』で長編アニメーションの声優にも初挑戦するなど、表現の領域を広げてきた。また、第94回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』への出演を通じて、海外の映画ファンにもその存在を知られる機会を得ている。国内でこれだけ幅広い役柄を経験してきた彼が、活動のフィールドを海外へ広げることは、ある意味自然な流れにも映る。
さらに、本作では本格的なアクションにも初挑戦している。海外作品という新たな環境で、これまで経験のなかったジャンルにも踏み込む。その挑戦は、俳優・岡田将生にとって大きな転機になることは間違いない。
日本人俳優にとって海外への挑戦は、俳優自身の表現力をアップデートさせるだけにとどまらない。いまや動画配信サービスを通じて、海外のコンテンツがリアルタイムで全世界に届く時代だ。Netflixシリーズ『イカゲーム』をはじめ世界的ヒット作を次々と生み出してきた韓国コンテンツにおいて主要人物を演じることは、世界中の観客に自身の存在が発見されることへと直結する。
迫力のあるアクションの中にも繊細な人間ドラマを組み込む韓国ドラマだからこそ、人物の感情を一つに定めず、その奥にあるものを想像させる岡田の芝居はより際立つ。国境を越え、表現者としてさらなる領域へ足を踏み入れた岡田将生の爪痕は、世界中の視聴者の記憶に深く刻まれていくはずだ。
■配信情報
『殺し屋たちの店 2』
ディズニープラスにて独占配信中
出演:イ・ドンウク、キム・ヘジュン、玄理、岡田将生
監督:イ・グォン
脚本:チ・ホジン、イ・グォン
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