『GTO』稲垣来泉が見せた揺れ動く感情の起伏と繊細な内面 “マスゲーム”に込められた真意

  「言いたいことも言えないこんな世の中」は、98年より令和の今のほうが確実に強まっていて、結は自分を表現することを過剰なまでに怖れている。同級生たちも、好き嫌い以前に巻き込まれないために必死でスルーしている。

 だからあえてマスゲームなのかもしれない。自由がないように見えるマスゲームが、同じ動作をみんなでやる自発的な意思によって初めて形になること。「命令」に「和」することが求められる時代だからこそ、問われているのは個々の意志であり、そこに自由があるという逆説を感じた。

 結はマスゲーム部の設立を諦めて退学しようとする。退学が個人の選択であることを承知の上で鬼塚は結を引き留める。「恥ずかしくても必死にがんばったお前をお前が嫌いになってどうするんだよ」は、要は「自分を大切にしろ」なのだが、人生捨てたもんじゃないという酸いも甘いも嚙み分けた大人の言葉で、自己と対峙し、過去と和解した鬼塚らしい台詞だった。

 子役から豊富なキャリアを持つ稲垣来泉は、反町隆史とのコミカルな応酬から、揺れ動く感情の起伏と繊細な内面をストーリー展開に合わせて表現しており、役作りも含めて練られた演技だった。

  『GTO』について第2話の終了時点でわかったことは、2026年版の鬼塚英吉が98年版に負けないくらい踏み込んでくること。こちらの共感性羞恥を突き抜ける勢いがあって、令和という時代に、目の前の1人に対する強い気持ちが込められた作品だと感じる。

■放送情報
『GTO』
カンテレ・フジテレビ系にて、7月20日(月)スタート 毎週月曜22:00~放送
※初回15分拡大
出演:反町隆史、生見愛瑠、工藤阿須加、高橋メアリージュン、市川知宏、夙川アトム、近藤芳正、宇梶剛士、松嶋菜々子、稲垣来泉、及川桃利、大島美優、梶原叶渚、川口和空、北里琉、柴崎楓雅、難波碧空、西浦心乃助、堀口真帆、森本陸斗ほか
原作:藤沢とおる『GTO』(講談社『週刊少年マガジンKC』刊)
脚本:遊川和彦
監督:中島悟、松田健斗
音楽:福廣秀一朗
エグゼクティブプロデューサー:安藤和久
チーフプロデューサー:河西秀幸
プロデューサー:永富康太郎、伊藤茜
制作協力:メディアプルポ
制作著作:カンテレ
©︎カンテレ
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