2026年春アニメ男性声優MVPは? “おいたわしい主人公”小野賢章、“美青年”福山潤ら

 2026年春アニメでは、新進気鋭の若手はもちろんのこと、ベテランや中堅どころの男性声優の活躍も目立っていた印象。そこで本稿では、MVP級の演技を披露した5名をピックアップし、その名演技を振り返っていきたい。

小野賢章

『黄泉のツガイ』©Hiromu Arakawa/SQUARE ENIX, Project TSUGAI

 いまだ声優界のトップランナーとして活躍する人気声優・小野賢章。今期のアニメでは『黄泉のツガイ』と『日本三國』で、それぞれ主人公の役を演じていた。

 奇しくもこの2作品の主人公に共有するのは、物語冒頭で衝撃の展開に見舞われる人物ということ。まず『日本三國』は、文明が崩壊した近未来の日本を舞台とした作品。主人公・三角青輝は、大和国の田舎で妻・小紀と共に幸せな日常を過ごしていた。しかし第1話では、そんな彼らの身に思いも寄らない不幸が降りかかる。

 小野はそんな三角の感情を丁寧に表現。エンディングでは激しく慟哭する姿も見せており、多くの視聴者が涙を誘われたはずだ。

『日本三國』第1弾予告| 2026年4月より放送開始!

 また『黄泉のツガイ』の主人公・ユルは、山奥の村に暮らす狩人の少年で、第1話の序盤ではその平穏そうな生活が描かれる。しかしそこから急転直下の展開があり、村が惨劇に見舞われると共に、ユルの信じていた世界が一瞬にして崩れ去ってしまうのだった。そこで小野は演技力を存分に活かし、運命の荒波に翻弄されるユルの姿を感情たっぷりに表現していた。

【第2クールメインPV】TVアニメ「黄泉のツガイ」第2クール 7月4日(土)23時30分より放送開始!

 なお小野といえば、1月に公開された映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』でも主人公のハサウェイ・ノアを演じていた。しかも今作のハサウェイは過去の忌まわしい出来事にとらわれ、精神に深刻なダメージを負った人物として描かれていたことが印象深い。なぜこうも立て続けに“おいたわしい”主人公に抜擢されるのかは分からないが、それだけ小野の芝居が信頼されているということなのかもしれない。

石谷春貴

 石谷春貴といえば、『ヒプノシスマイク』の山田二郎役として知られる男性声優。近年さまざまな作品に出演し、知名度を高めているが、今期はとくに華々しい活躍を見せた。

 なにより鮮烈な印象を残したのが、「少年ジャンプ+」の人気マンガを原作としたアニメ『マリッジトキシン』の主人公・下呂ヒカル役だ。

 下呂は数百年続く殺し屋「毒使い」の末裔にあたる青年。普通の幸せを諦め、殺伐とした生活を送っていたのだが、家庭の事情によって誰かと結婚せざるを得なくなる。そして凄腕結婚詐欺師・城崎メイとの出会いから、“婚活”を始める……という設定だ。

 下呂は女性を苦手としていて、恋愛経験もゼロ。デートの練習をすると不器用で情けない姿を見せて、メイからツッコミを受けてしまう。しかしその一方、殺し屋としての腕は超一流で、戦闘シーンでは別人のようにスタイリッシュな姿を見せる。石谷はそんな下呂の二面性を上手く表現しており、原作ファンからも好評を博していた。

TVアニメ『マリッジトキシン』ティザーPV

 さらに今期の石谷は、『クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった』でも主役の座を射止めていた。同作は学園もののラブコメディで、石谷が演じる主人公・前原真樹はクラスで一人ぼっちの“日陰男子”。『マリッジトキシン』とは打って変わって、繊細でやさしいしゃべり方を披露しており、演技の幅広さを実感させる役柄となっていた。

 ほかにも年内には、『ワールド イズ ダンシング』や『弱気MAX令嬢なのに、辣腕婚約者様の賭けに乗ってしまった』といった作品にキャスティングされており、さらなる活躍に期待が集まる。

花江夏樹

『とんがり帽子のアトリエ』©白浜鴎/講談社/「とんがり帽子のアトリエ」製作委員会

 花江夏樹は主役から端役までこなす、声優界きっての実力派。今期のアニメで、その演技がもっとも光っていたのは『とんがり帽子のアトリエ』のキーフリー役だろう。

 キーフリーは主人公の少女・ココを弟子としてアトリエに迎え入れる魔法使いの青年。温厚な性格で、やさしく包容力のあるしゃべり方をするため、花江の温もりのある声質とこの上なくマッチした役柄と言える。

 しかし決してそれだけでは終わらないのが、キーフリーというキャラクターの魅力。魔法が絡むトラブルが起きた際には態度がガラッと変わり、厳格な一面を覗かせる。第1話でココがとある悲劇を起こしてしまったシーンでは、「何を描いた、何の魔法を描いた!」というセリフの激しさに背筋がピンと伸びた視聴者も多かったはず。

 花江の演技も相まって、キーフリーはやさしさと厳しさが同居した師匠キャラとして、今期の男性キャラでも屈指の“メロさ”を醸し出していた。

【WEBCM】TVアニメ「とんがり帽子のアトリエ」ラストスパートWEBCM

 そのほか今期のアニメでいえば、『LIAR GAME』のヨコヤノリヒコ役も強烈なインパクトがあった。ヨコヤは巨額のマネーを奪い合う「ライアーゲーム」の参加者で、主人公たちの宿敵として立ちはだかる人物。ほかのプレイヤーたちを支配する力に長けており、冷酷な声色が特徴だ。王道の主人公キャラのイメージが強い花江だが、今後はもっと幅広い役柄が増えていくのかもしれない。

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