『タツキ先生は甘すぎる!』町田啓太が体現した父親像 蒼空の言葉が沁みる最終回に
そんな中、子どもたちはタツキの発案により、体に絵の具を付け、好きなものを描く“ボディーペインティング”で音楽フェスの横断幕を作ることに。最初はただ見ていただけだった蒼空も、智紀(大倉琉人)や拓実(藤原聖)に半ば強引に参加させられる。すると、絵の具まみれになるうちに、だんだん楽しくなったのか、久しぶりに笑顔を見せるのだ。そのことをきっかけに蒼空は穏やかになり、暴れて怪我をさせてしまった優(比嘉愛未)にも素直に謝罪する。しかし、依然としてタツキには心を許せず、頬を触られた拍子に思わず身を引いてしまった。
それでも、タツキの愛情が伝わっていないわけではなかった。ボディーペインティング以降も蒼空を気にかけ、音楽フェスに来てもらおうとメッセージ付きの招待状を贈ることにした智紀たち。そこに、タツキは言葉ではなく蒼空の似顔絵を添える。それを見て蒼空が思い出したのは、かつてタツキから教わって描いた似顔絵を褒めてもらったことだ。
あの時も、中学受験したいと言い出した時も、テストでカンニングした時も、蒼空はただタツキに褒めてもらいたかっただけなのではないだろうか。「すごいじゃん!」と笑顔になってほしかった。でも、今は心配ばかりかけ、不安そうな顔にさせてしまっている。そこから「このままじゃ嫌だ。変わりたい」と思い、一歩を踏み出したのは蒼空自身だ。タツキが導いたわけでも、促したわけでもない。だが、タツキが描いた似顔絵から、自分を信じて待ってくれていることが確かに伝わったからこそ、その思いに応えようとしたのだろう。
音楽フェスに現れた蒼空は、「ユカナイ」みんなの似顔絵を描いた横断幕を披露した。タツキがこぼした黄色の絵の具の上に、さまざまな笑顔が広がる様はまるで向日葵のようだ。子どもは成長とともに親の手を離れていく。親の知らないこともどんどん増え、タツキのように寂しさや不安から無意識に子どもをコントロールしようとしてしまう人も多いのではないか。だけど、それでは逆に成長を妨げてしまうことになる。
音楽フェスの後、蒼空に改めて謝罪し、「ずっと蒼空の味方だから」と伝えたタツキ。子どもを信じて見守る。もし子どもが壁にぶつかっても、焦ってどうにかしようとするのではなく、まずは気持ちを受け止める。そうやって親がどんな時も味方でいてくれたら、子どもは自ずと悩みに対しての答えを見つけ、自分だけの花を咲かせられるのではないだろうか。たとえ学校に行けなくても、「構わない! そんなの気にしない!」と笑える子どもの未来はきっと明るい。
蒼空が描いた4コマを絶賛し、「お父さん、今度は甘すぎる」と笑われるタツキは正真正銘の甘すぎる先生。その根底にあるのは、子どもたちに対する心からの信頼と敬意だった。
■配信情報
『タツキ先生は甘すぎる!』
TVer、Huluにて配信中
出演:町田啓太、松本穂香、藤本美貴、寺田心、三遊亭好楽、比嘉愛未、江口洋介
脚本:徳尾浩司
演出:鈴木勇馬、松下敏也、苗代祐史
音楽:得田真裕
主題歌:福山雅治「拍手喝采」(アミューズ/Polydor Records)
フリースクール監修:石井しこう
アートセラピー監修:浜端望美
企画協力:前田志門
プロデューサー:岩崎秀紀、秋元孝之、大護彰子
チーフプロデューサー:荻野哲弘
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作著作:日本テレビ
©日本テレビ
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