宇野維正の映画興行分析
IMAX先行上映が大盛況だった『Michael/マイケル』 今週末の通常公開でどこまで跳ねるか?
6月第1週の週末動員ランキングは、『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』が週末3日間で動員18万5000人、興収3億2200万円をあげて3週連続1位。公開から17日間の動員は121万8500人、興収は20億5700万円。
日本と同じ週末に公開された北米では、その前週に公開された『オブセッション 災愛』やその翌週に公開された『Backrooms(原題)』に話題を奪われ、週末首位に立ったのも1週だけという結果に。それを受けてネット上では「今や『スター・ウォーズ』は北米より日本での方が人気があるのでは?」といった言説も見受けられたが、それはいくらなんでも言い過ぎ。今回の『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』も世界興収の半分以上は北米で稼いでいて、現時点でも北米だけで日本の約12倍となる1億5840万ドル(約254億円)をあげている。興行を分析する際に最も重視すべきは、順位や話題性ではなくあくまでも数字だ。
『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』が日本で3週連続1位になったのは、単純にランキング全体の動きが停滞しているから。トップ4は並びも含めて、これで前々週から3週連続でまったく同じ。それに続いて、前週5位に初登場した『箱の中の羊』も2週連続で5位。先週末は『マスターズ・オブ・ユニバース』と『モータルコンバット/ネクストラウンド』、2作のハリウッド大作が公開されたが、前者は初登場7位、後者はランキング外と奮わない結果となった。
特に『モータルコンバット/ネクストラウンド』を配給した東和ピクチャーズは、2月に公開した『嵐が丘』以降、今年に入ってワーナー作品の配給を引き受けるようになってからの5作品(『嵐が丘』『ザ・ブライド!』『ゼイ・ウィル・キル・ユー』『ザ・マミー 棺の中の少女』『モータルコンバット/ネクストラウンド』)すべてが初週からランキング外という、かなり深刻な事態に陥っている。
一方、慣習的に先週末のランキングには反映されていないものの、6月5日から3日間限定で全国62館でIMAX先行上映がおこなわれた『Michael/マイケル』は、たった278回の上映で動員4万3400人、興収1億400万円を計上(この数字は次週に持ち越される)。今週金曜日からの通常公開を前に、大きく弾みをつけた。実際、今回の先行上映の好成績も影響してのことだろう、今週末の全国各シネコンの上映スクリーン数も上映回数もメジャー配給以外の洋画としては異例の厚遇を受けていて、同じミュージシャンの伝記映画としては8年前の『ボヘミアン・ラプソディ』(最終興収135.1億円)を超えるスタートダッシュが見込めそうだ。
■公開情報
『Michael/マイケル』
6月12日(金)全国公開
出演:ジャファー・ジャクソン、ジュリアーノ・ヴァルディ、コールマン・ドミンゴ、ニア・ロング、ケンドリック・サンプソン、マイルズ・テラー、ローラ・ハリアー、ケイリン・ダレル・ジョーンズほか
監督:アントワーン・フークア
脚本:ジョン・ローガン
製作:グレアム・キング、ジョン・ブランカ、ジョン・マクレイン
配給:キノフィルムズ
提供:木下グループ
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