『リボーン』残された“謎”を徹底考察 高橋一生が見せた“一人四役”級の表現力

 思いもよらない最終回だった。ドラマ『リボーン ~最後のヒーロー~』(テレビ朝日系)の主人公・根尾光誠(高橋一生)は文字通り、客足が遠のいていたあかり商店街に現れた「ヒーロー」として、商店街を救った「英雄」としてこの世を去った。

 しかし、第1話から多くの謎がちりばめられた本作では、最後の最後まで解釈の余地と結末の余白を残したまま幕を閉じる。やはりいちばん議論を巻き起こしているのは、亡くなったのが本当に光誠なのかどうかという謎だ。

 最終回のラスト、更紗(中村アン)は英雄と名付けられた赤ん坊を抱き、仏壇に飾られた英人の遺影に近づいていく。明言はされていないが、恐らく英人と更紗の間に生まれた子どもではないだろうか。なかには、生まれたばかりの英雄に光誠が転生したという意見もある。

 ただ、ここで気がかりなのは、たびたび倒れてくる障子戸。最終回でも商店街のみんなが更紗の絵画コンクールの大賞受賞で盛り上がる最中、光誠は倒れかかる障子戸に頭をぶつけていた。これが引き金となり、光誠と英人が入れ替わったのではないか。

 意味深なのは、更紗と川沿いを歩いているときに「神様は帳尻合わせが好きなのか。いいことと悪いことはいつも交互にやってくる。今日はいいことが重なりすぎたのかもしれない」と心の中で呟いたことだ。幸せいっぱいの状況にいる彼にとって、前後に起きたことが「悪いこと」だとすれば、更紗とともに歩いていた人物が今まで商店街を追い詰めてきた光誠に転生した英人という可能性も捨てきれない。

 物語の出発点に立ち返ると、IT企業「NEOXIS」の敏腕社長だった光誠は次第に会社の理念に掲げていた「FOR THE PEOPLE」の思いからかけ離れた行動を取るようになり、創業当初のメンバーだった友野(鈴鹿央士)たちも彼から離れていく。そして、孤独を深めてよりワンマン経営を強めていくなか、何者かによって階段から突き落とされてしまう。

 しかし、彼は亡くなることなく、病院のベッドで目を覚ます。なんと彼は生きているだけでなく、2012年の世界にタイムスリップして、なおかつ光誠ではない別の人間として生まれ変わっていた。それがあかり商店街にあるクリーニング店を経営する英治(小日向文世)の息子・英人。その後、光誠は未来を生きた経験と知識を活かしながら、英人として持ち前の機転で閑散としていた商店街に活気をもたらしていく。その予知能力の代償として、命を削るとは知らずに。

 この未来を予知する代償が命であるルールに関しても、具体的には明かされていない。情報の確度や影響を及ぼす範囲、変化する未来の大きさがどれほど関係しているのかは未知数。物語の軸となるルールのあいまいさも、賛否両論を巻き起こすきっかけになっているように思う。英人の母・遥香(宗清万里子)が光誠の父・大誠(松尾貴史)を自宅に招いたエピソードが中盤で描かれたことで、突如として浮上した光誠と英人の腹違いの兄弟説も結局、明言はされないままだった。

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