町田啓太がインナーチャイルドと向き合う 『タツキ先生は甘すぎる!』正解のない絵と人生

『タツキ先生!』町田啓太が心の傷と向き合う

 「お父さんは当時、タツキに対してどんな気持ちだったんだろうね」という三雲の言葉が引っかかったタツキは、思い切って一樹に聞いてみる。しかし、一樹は絵のことをすっかり忘れていた挙句、「別に赤い空でもいいよな?」と自分の過去の言動に心底不思議そうな顔をするのだ。よく考えれば、いや考えなくとも、絵に正解はないのだから、空を何色で描いてもいいはず。でも、そんな当たり前のことに気づけないほど、当時の両親は自分の子どもが道を踏み外すことなくまっすぐ進めるよう、レールを整えることに必死だったのだろう。

 かつてのタツキも同じだ。蒼空が学校に行けなくなっただけでパニックになり、焦って正しい道に戻そうとした。絵と同じで、人生にだって正解はないはずなのに。当時のタツキは学校に行くことが正解だと思い込んでいたのだ。

 一樹と話したことで拍子抜けしつつも、心の中に眠っていた傷を癒すことができたタツキ。それと同時に、改めて大人も間違えるということに気づけたのではないか。タツキは幼少期の傷つき体験に加え、自身もまた蒼空を深く傷つけてしまったことへの反省から、子どもの意志を尊重するようになった。それ自体は決して悪いことではない。しかし、子どもの心を守ろうとするあまり、親の気持ちは少々蔑ろにしていたところがあるのも事実だ。だから、しずく(松本穂香)から教育虐待の可能性を示唆され、海音のことも哲生から引き離そうとした。

 だけど、哲生には悪気があったわけではない。答えがひらめいた時の楽しさから算数を好きになった海音。哲生も海音の喜ぶ顔が嬉しくて、その笑顔をもっと増やしてあげようとしていただけなのだ。それがいつしか海音の気持ちを哲生の気持ちが上回って、齟齬が起きた。でも、中学卒業祭の人形劇で、一度はフリマに出したぬいぐるみを手に心から楽しそうにしている海音を見て、哲生は気づけたのではないだろうか。自分が本当に見たかったのは、算数コンクール金メダルではなく、海音の笑顔だということ。それに気づけたのなら、もう大丈夫。海音が完全に笑顔を失う前で本当に良かった。

 蒼空が今も暗い場所から抜け出せずにいるように、一度壊れてしまったもの、失ったものを取り戻すのはとても難しい。それどころか、突如また家で暴れ出した蒼空。でも、暴れているのは蒼空自身ではなく、彼のインナーチャイルドなのではないか。ありのままの自分を受け入れてほしい。自分を認めてほしい。そうした過去に満たされず、心にしまい込んだ感情がタツキに会ったことで飛び出してきたのだろう。ある意味、良い兆候とも言えるが、タツキの受け止め方次第で結果は大きく左右されそうだ。

■放送情報
『タツキ先生は甘すぎる!』
日本テレビ系にて、毎週土曜21:00〜放送
出演:町田啓太、松本穂香、藤本美貴、寺田心、三遊亭好楽、比嘉愛未、江口洋介
脚本:徳尾浩司
演出:鈴木勇馬、松下敏也、苗代祐史
音楽:得田真裕
主題歌:福山雅治「拍手喝采」(アミューズ/Polydor Records)
フリースクール監修:石井しこう
アートセラピー監修:浜端望美
企画協力:前田志門
プロデューサー:岩崎秀紀、秋元孝之、大護彰子
チーフプロデューサー:荻野哲弘
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作著作:日本テレビ
©日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/tatsuki/
公式X(旧Twitter):https://x.com/tatsuki_ntv
公式Instagram:https://www.instagram.com/tatsuki_ntv
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@tatsuki_ntv

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