興収で読む北米映画トレンド

『マンダロリアン・アンド・グローグー』北米1位 『スター・ウォーズ』7年ぶり新作の光と影

 今週もうひとつの注目作は、第2位に驚きの躍進を遂げた、新世代ホラー映画『Obsession(原題)』。前週の第3位からランクアップしただけでなく、週末興収は3日間で2240万ドル、4日間で推定2820万ドルと、前週比プラス30%と数字を伸ばしている。

 通常、ホラー映画は公開週末に観客が集中し、2週目には数字を大きく落とす傾向にある。しかし、本作は拡大公開済みにもかかわらず観客を集めつづけており、『マンダロリアン・アンド・グローグー』公開前の平日(月曜~木曜)には『Michael/マイケル』をおさえてランキング1位に輝いた。本国でも「前代未聞」といわれる大ヒットだ。

Obsession | Official Trailer

 本作は“ひとつだけ願いを叶えられる”という魔法の道具を手にした青年が、長年片思いをしてきた友人に愛されたいと願ったことから、恐ろしい事態に巻き込まれてゆく物語。Rotten Tomatoesでは批評家・観客ともに95%、CinemaScoreでも「A-」と高評価を受けた。

 ヒットの理由は口コミ&リピーター効果、そして若年層の熱狂だ。観客の40%が18~24歳という若者たちで、18~34歳までレンジを広げれば全体の75%(4人中3人だ)にのぼる。2週目は女性客の比率が男性を上回るなど、新しい観客をどんどん呼び込んでいることがうかがえる。

 監督はYouTube出身、弱冠26歳の新鋭カリー・バーカー。本作を配給したFocus Featuresは、すでに新作映画『Anything But Ghosts(原題)』を配給することも決定しており、この新たなホラーの旗手をがっちりとつかんでいる。さらに、今後はA24製作『悪魔のいけにえ』シリーズの新作映画も手がける注目株だ。

 北米興収は5858万ドル、世界興収は7978万ドル。製作費は100万ドル未満の低予算、しかもFocus Featuresは配給権を1400万ドルで取得しているから、ビジネスとしては大成功だ。現時点で日本公開は未定ながら、劇場公開の実現に期待したい。

『Michael/マイケル』®, TM & © 2026 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

 そのほか、第3位『Michael/マイケル』は公開5週目で世界興収7億8804万ドルに到達。6月12日に日本公開を控えるなか、10億ドル突破も視野に入ってきた。第4位『プラダを着た悪魔2』も堅調で、北米興収2億ドル、世界興収6億ドルを突破。第5位『ひつじ探偵団』は週末興収898万ドルだが、3週目にして前週比マイナス6.2%という驚くべき粘り強さを見せている。

I LOVE BOOSTERS - 公式予告編 - 5月22日劇場公開

 もうひとつの注目作は、第8位に初登場した、NEON配給『I Love Boosters(原題)』。『NOPE/ノープ』(2022年)のキキ・パーマー、『ミッキー17』(2025年)のナオミ・アッキー、『サブスタンス』(2024年)のデミ・ムーアら共演の犯罪コメディで、プロの万引き集団がファッション業界の大物を標的とする。

 週末3日間の興行収入は372万ドル、4日間では推定470万ドル。製作費は2000万ドルだから興行的には厳しいが、Rotten Tomatoesでは批評家スコア92%と高評価を獲得。ただし観客スコアは74%、CinemaScoreでは「B」と、観客評価は賛否両論ぎみだ。監督・脚本は、日本では知る人ぞ知る名編『ホワイト・ボイス』(2018年)のブーツ・ライリー。

北米映画興行ランキング(5月22日~5月24日)

1.『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』(初登場)
8196万ドル/4300館/累計8196万ドル/1週/ディズニー

2.『Obsession(原題)』(↑前週3位)
2240万ドル(+30.3%)/2655館(+40館)/累計5278万ドル/2週/Focus Features

3.『Michael/マイケル』(↓前週1位)
2001万ドル(-23.5%)/3560館/累計3億1422万ドル/5週/ライオンズゲート

4.『プラダを着た悪魔2』(↓前週2位)
1259万ドル(-29.5%)/3300館(-530館)/累計1億9611万ドル/4週/ディズニー

5.『ひつじ探偵団』(→前週5位)
898万ドル(-6.2%)/3207館(-347館)/累計4351万ドル/3週/Amazon・MGM

6.『Passenger(原題)』(初登場)
870万ドル/2534館/累計870万ドル/1週/パラマウント

7.『モータルコンバット/ネクストラウンド』(↓前週4位)
617万ドル(-54%)/2726館(-808館)/累計7276万ドル/3週/ワーナー

8.『I Love Boosters(原題)』(初登場)
372万ドル/1750館/累計372万ドル/1週/NEON

9.『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』(↓前週6位)
317万ドル(-29.5%)/2005館(-788館)/累計4億2363万ドル/8週/ユニバーサル

10.『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(↓前週7位)
271万ドル(-32.9%)/1321館(-856館)/累計3億3960万ドル/10週/Amazon・MGM

(※Box Office Mojo、Deadline調べ。データは2026年5月25日未明時点の速報値であり、最終確定値とは誤差が生じることがあります)

参照
https://www.boxofficemojo.com/weekend/2026W21/
https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/star-wars-mandalorian-grogu-box-office-franchise-low-1236604973/
https://deadline.com/2026/05/box-office-mandalorian-and-grogu-1236918713/
https://deadline.com/2026/05/indie-film-box-office-tuner-i-love-boosters-obsession-1236920235/
https://variety.com/2026/film/box-office/mandalorian-and-grogu-box-office-opening-memorial-day-weekend-1236757827/
https://variety.com/2026/film/box-office/box-office-michael-800-million-devil-wears-prada-2-600-million-globally-1236757876/
https://variety.com/2026/film/box-office/obsession-box-office-breakout-hit-horror-1236757946/

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