當真あみが向き合った実在の事故と“伝える”責任 「お芝居が楽しい」20歳を目前にした心境も

 石井裕也監督の新作映画『人はなぜラブレターを書くのか』は、2000年3月に起きた地下鉄脱線事故を題材に、1通のラブレターをめぐる奇跡を描いた人間ドラマだ。綾瀬はるかが演じる主人公・小野ナズナの高校時代を演じたのは、2025年7月期に放送された『ちはやふる-めぐり-』(日本テレビ系)で連続ドラマ初主演を果たし、2026年も『終点のあの子』『パリに咲くエトワール』など出演作が続く當真あみ。実在の事故をモデルにした重厚なテーマに、彼女はどのように向き合ったのか。NHK大河ドラマ『どうする家康』以来となった細田佳央太との再共演や、20歳という節目を目前にした俳優としての現在地について話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

「答え合わせをしているような、不思議な感覚」

ーー本作では綾瀬はるかさん演じる主人公・小野ナズナの学生時代を演じられていますが、ご自身で完成作をご覧になっていかがでしたか?

當真あみ(以下、當真):私は過去パートのみの出演だったので、撮影中は現在パートのシーンを全く知りませんでした。台本はいただいていましたが、ナズナとして知らない部分はあえて鮮明に理解しないほうがいいなと思い、自分のシーン以外はできるだけ読み込まないように意識していたんです。

ーーナズナが見ていない世界は、あえて知らないようにしようと。

當真:はい。なので完成した映像を観たときは、答え合わせをしているような、不思議な感覚でした。大人になったナズナがどんな女性になっているのか、彼女の心の中で富久さん(細田佳央太)という存在がどれほど強く生き続けているのか。映像を観て初めて知った部分が大きかったので、客観的に物語に引き込まれて、私もボロボロ泣いてしまいました。

ーー現在パートの綾瀬さんや妻夫木聡さん、菅田将暉さんとは現場でお会いする機会はありましたか?

當真:いえ、撮影前のお祓いのときにお会いしたきりで、撮影現場では現在パートの方々とは全くお会いしていないんです。綾瀬さんが演じられた大人のナズナは、文字から受ける印象通り、本当に素晴らしい女性像で……綾瀬さんの表現を通じて、ナズナの歩んできた24年間の重みが画面から真っ直ぐに伝わってきました。

ーー今回、実在の事故をモデルにした物語ということもあり、オファーを受けた際はプレッシャーもあったのではないでしょうか。

當真:素直に嬉しい気持ちと同時に、モデルとなった方が実際にいらっしゃるので、その方の気持ちを想像し、決して失礼のないように演じなければならないという責任を強く感じました。自分勝手な役作りではなく、観てくださる方にどう届くべきかということを、今まで以上に意識しましたね。

ーー実際に起きた事故について調べたりも?

當真:当時の事故の記事や、メッセージを出された女性の想いなど、外側から得られる情報はできる限り目を通しました。知っておくべきことだと思いましたし、それを踏まえた上で、現場ではあえて“事故が起きることを知らない”等身大の高校生として存在することを心がけました。

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