戸田恵梨香が『リブート』で放った“ミステリアスな魅力” 仮面の裏に隠した“孤独と覚悟”

 松山ケンイチが顔を変え、鈴木亮平の顔にリブート(再起動)して、平凡なパティシエから刑事になりすます衝撃的な展開が話題を呼んでいる日曜劇場『リブート』(TBS系)。

 登場人物の誰もが疑わしく、主人公の早瀬陸(松山ケンイチ/鈴木亮平)が疑心暗鬼になる中でも、最も本性が読めず、ミステリアスな魅力を放っているのが、早瀬に刑事の儀堂歩(鈴木亮平)になりすますことを勧めた公認会計士の幸後一香(戸田恵梨香)だ。

 一香は第1話から、鶏小屋で半裸の儀堂を足蹴にするシーンから始まるなど、ただならぬ気配を身にまとっていた。そして何食わぬ顔で早瀬を裏組織のトップ・合六亘(北村有起哉)に差し出し、自身は平然とステーキを食べ続けるなど、悪女ぶりが際立っていた。

 その姿には妖艶さもあり、底知れぬ凄みさえ感じさせる。東仲恵吾プロデューサーに「その表現力をもってしてこそ成立する役であり、戸田さん以外には考えられませんでした」(※)と言わしめた戸田の魅力とは何なのだろうか?

 戸田は12歳の頃から子役として活動。本格的な俳優デビューは、2005年に16歳で出演したドラマ『エンジン』(フジテレビ系)だった。当時、広末涼子が在籍していた株式会社フラームに所属し、木村拓哉の主演作でデビューするという、恵まれたスタートだったといえよう。

 そんな彼女が一躍注目を集めたのが、翌2006年に公開となった映画『デスノート』だ。この中で戸田が演じたのがツインテールのアイドル・弥海砂、通称“ミサミサ”。犯罪者をデスノートで成敗する夜神月(藤原竜也)に心酔し、自らも月に加担する女子を演じ、大人気を博した。驚くのは当時売り出し中の彼女が、ヘタをすればマイナスイメージがつきかねないこの役を思い切りよく演じていることだ。椅子に縛られて監禁されるシーンも体当たりで演じた。この潔さが戸田の一つの魅力といえよう。

 その後、連ドラ初主演作の『LIAR GAME』(2007年~2010年/フジテレビ系)で演じた、騙し合いゲームの中でもバカ正直を貫く少女・神崎直や、自信家だが人情味のある『コード・ブルー』(フジテレビ系)シリーズの緋山美帆子、少し低い声でボソッとツッコミを入れる『SPEC(スペック)』(TBS系)シリーズの当麻紗綾など、次々に当たり役を手にしていった。

 そうして王道の人気女優路線を進むのかと思わせた2013年、もう一度驚かされたのが『書店員ミチルの身の上話』(NHK総合)だ。ここで演じた古川ミチルは平凡だが、上林久太郎(柄本佑)という彼氏がいながら物足りず、出版社の営業マン・豊増一樹(新井浩文)と不倫している、なかなか危うい女性。ふとした衝動で、豊増と東京行きの飛行機に乗ってしまったミチルは、同僚たちから頼まれて買った宝くじの1枚が2億円当たっていたことから、流転の日々を送ることになる。

 まだ25歳だった戸田が、なぜこのような役を演じる必要があるのかと当時は不思議に思ったが、自分をきれいに見せようとしないことこそが彼女の潔さなのだろう。ミチルを演じる戸田は、どこか倦怠感もあり、他の25歳の女優には出せない生々しさがあった。この頃を境に、彼女の演じる役は、より飾らない、血が通ったものになっていったような気がするのだ。

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