10年後に観たことを自慢できる? 唯一無二の『私が撮りたかった俳優の原石展』レポート

 「AMUSE Audition 2025-26『私が撮りたかった俳優の原石展』」が、3月7日から15日まで東京・広尾のHIROO GALLERYで開催されている。

白を基調にした展示が写真をさらに映えさせる

 アミューズの新人俳優発掘オーディションと、世界的フォトグラファー・濱田英明が話題の俳優を撮り下ろす新進気鋭の展示企画『私が撮りたかった女優展/俳優展』がコラボレーション。全国各地から集まった、審査を勝ち抜いたファイナリストの写真が展示され、来場者による投票も含めた審査でグランプリが決まる。

 ファイナリストに選ばれたのは、穴井ももか、大友隆佑、菊地颯一郎、髙橋泉、山田すみれの5人。

『私が撮りたかった俳優の原石展』ファイナリストの5名

 写真展には、『私が撮りたかった女優展/俳優展』に参加経験のある堀田真由、山田杏奈、恒松祐里、細田佳央太、新原泰佑もアンバサダーとして参加。本企画のために、濱田が撮り下ろした新ビジュアルが展示されている。

中央の六角形にファイナリストたちの写真 そのまわりにアンバサダー5名の写真が

 会場に足を踏み入れると、まず目を引くのは中央に設けられた六角形のエリア。ファイナリスト5人の写真が空間の中心に配置され、周囲の壁には、それを取り囲むようにアンバサダーの写真が飾られている。

 企画プロデューサーのJ.K.Wang氏に話を聞くと、ここには“原石展”ならではのコンセプトがあるという。

企画プロデューサー・J.K.Wang

「(宝石を)磨く時って、外側から磨いていってエッジを出すじゃないですか。すでに磨かれたアンバサダーが周りにいて、その中に磨かれる前の子たちがいる。新たな原石を見守っているようなイメージで作りました」(Wang)

 写真撮影OKの展示エリアには、ファイナリストの表情をつぶさに捉えた大きな写真がランダムに飾られている。瑞々しく、それでいて力強いまなざしからは、その可能性がひしひしと伝わってくる。

写真撮影OKの展示エリア

 Wang氏は「プリントの大きさは大事にしました。まだ知られていない原石を大きく飾るとどんな見え方をするのか興味がありました。誰もが知る俳優さんを大きく飾るのとはまた違って、新たに見えてくる写真の力や、ギャップから来る感動もあるのではないかと思いました」と狙いを口にする。

 奥に進むと、5人の『なりたい自分』をテーマにした手書きのメッセージが、それぞれの写真にそっと添えられている。自分の思いを細やかに書く人、一言で今の自分を表す人……たった1枚の紙に、各々の個性が溢れていた。

ファイナリストたちの直筆メッセージも

 展示会の印象について、アミューズのオーディション企画者・津田みちる氏は「白を基調とした空間に大きな写真が並んでいて。濱田さんの美しい写真の中で、彼らが初々しくピュアな表情をしているんです。そこに日差しが入ると、みんなが輝いて見える。夜は夜でまた素敵ですし、Wangさんとしっかり意味合いやコンセプトを共有できた素晴らしい写真展になったと感じています」と手応えを語る。

 写真展とオーディションを掛け合わせた、新しい才能の見つけ方。そもそも、この企画はどのように生まれたのか。

 Wang氏が『私が撮りたかった女優展/俳優展』を立ち上げたのは、「フォトグラファーが撮りたい人を、撮りたいように撮れる機会を作りたい」という思いからだった。普段の仕事現場では、ようやく出会えても時間や撮り方を制限されることも多い。そうした制約を取り払い、「クリエイティブを前面に出せる場」として企画がスタートしたという。

 展示を重ねるうちに、来場者アンケートに「これからの人(=新人)の展示も観たい」という声が増え、Wang氏自身も「原石に光を当てる企画をいつかやりたいと思っていた」と振り返る。

 そこに声をかけたのが、アミューズの津田氏。各所でたくさんのオーディションが開催されている中で、「“新しく粋”なオーディションがしたかった」という純粋な思いが出発点だった。

 もちろん、理由はそれだけではない。「当時担当をしていた堀田真由を、6年ほど前に『私が撮りたかった女優展』で濱田さんに撮っていただいたときに、『こんな表情があったんだ』『こんなに横顔が美しいんだ』とたくさんの発見があり未来が広がったんです。俳優として活躍していくうえでも画力(えぢから)はすごく参考になる。新人発掘オーディションの中でそれを見ることができるのは、私たちにとっても大きなメリットがあると思いました」と、自身の経験が今回の企画に繋がったという。

 オーディションに集まったのは、魅力あふれる原石たち。20名から5人に絞るセミファイナル審査に立ち会ったWang氏は、「こんなにすごい子たちが集まるんだなと。その子たち全員が本当に輝いていて、すごい運を持ってるんですよ。こんなに眠っているものなのかと、ただただ驚きましたね」と感嘆する。

 東京で2日間にわたって行われた最終審査では、恒松祐里や新原泰佑が、ファイナリストに直接芝居のアドバイスをする場も設けられた。

 津田氏は「演技をしたこともない子が一生懸命にセリフを覚えて、アドバイスをもらいながら必死で悩んで。自信がない中でも最終審査に臨む姿を見たら、もう感動してしまいました。スタッフ全員が熱い気持ちで全員と向き合い、初心に戻ることができたし、チームにとってもいい経験になりました」と、感慨深げに話した。

関連記事