『ばけばけ』を神秘的に見せる島根の舞台 『ゲゲゲの女房』『VIVANT』でも重要なロケ地に

 貧乏長屋から望める松江城の景色。ヘブン(トミー・バストウ)が興味津々だった月照寺の大亀。トキ(髙石あかり)が恋占いの結果に振り回された八重垣神社の鏡の池。

 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』では、島根県に今も残る名所が数多く登場している。ヘブンとトキのモデルとなったラフカディオ・ハーン(小泉八雲)と妻のセツが出会い、ともに暮らした松江の風景は、物語の節々で印象的に映し出されている。

 特に視聴者にとって忘れられない風景となっているのが、「日本百景」のひとつにも数えられ、小泉八雲の著書『知られぬ日本の面影』にも登場する宍道湖の夕景だろう。第65話で見えないお互いの気持ちに気づいたトキとヘブンは、橋の上で散歩の約束を交わす。ハンバート ハンバートの主題歌「笑ったり転んだり」が流れたあと、手を取り合う2人の背景には宍道湖の水面に沈む夕日が幻想的に映し出される。本作を振り返る際には間違いなく思い出すであろう神秘的な情景だった。

 島根県を舞台にした「朝ドラ」は『ばけばけ』のほかにもある。『だんだん』(2008年度後期)で、主人公のひとり・田島めぐみ(三倉茉奈)が生まれ育つのは松江市。さらに、彼女は縁結びの神様として有名な大国主大神が祀られた出雲大社で、双子の姉妹である一条のぞみ(三倉佳奈)と運命的な出会いを果たす。

 さらに、島根県を舞台にしたドラマとして大きな話題を集めたのが、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』(2010年度前期)だ。妖怪漫画の金字塔『ゲゲゲの鬼太郎』などを手がけた水木しげると妻の布枝をモデルに、極貧生活を営みながらも、ひたむきに漫画に打ち込む夫婦の二人三脚の軌跡を描いていく。物語の始まりは、ヒロイン・布美枝(松下奈緒)が生まれ育った島根県の安来地方。出雲富士とも呼ばれる大山が見える場所で、彼女は10歳年上の漫画家・村井茂(向井理)と見合いをし、そのわずか5日後に結婚式を挙げる。その後は東京の調布市に移り住むものの、安来で育まれた布美枝の辛抱強さは、長きにわたって苦境に立たされた漫画家の茂を支える力となった。

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