『呪術廻戦』第3期OPはなぜパロディ特盛? 映像のなかで示唆される“黒幕”の思惑

『呪術廻戦』第3期のOP映像を読み解く上で重要なのは、今シリーズが「死滅回游編」を描いた話になるという前提情報だ。

「死滅回游」とは作中の黒幕にあたる人物・羂索が仕掛けた一種のデスゲームで、作中では日本各地で術式を持ったプレイヤーたちが激闘を繰り広げていく。この黒幕とプレイヤーという関係の歪さがOP映像にははっきりと示されている。
たとえば映像の中盤あたりには、羂索が黒い筒に目を当て、街のジオラマを覗き込むカットが出てくる。冒頭で虎杖を見つめる巨大な瞳も、おそらく羂索のものだろう。さらに映像のラストには、愉悦に満ちた表情で高笑いする羂索の姿が映し出されている。

すなわちこの映像では、羂索が「死滅回游」の結界(コロニー)で起きる出来事を俯瞰して眺めていることが示されているのだ。プレイヤーたちにとっては人生を賭けた戦いでも、長く生きてきた羂索からすれば“どこかで見たような光景”の再演に過ぎず、予想外のことはほとんど起きていない……。そんな皮肉な構造を示すために、登場人物たちの姿を有名絵画のパロディとして提示しているのではないだろうか。
そう考えると、『呪術廻戦』第3期のOP映像はれっきとした必然性のあるパロディ/オマージュを試みていたことになる。だとすると、論争で争点になっていた「パロディには文脈が必要かどうか」という問いかけ自体がズレていたと言えるのかもしれない。

そもそもパロディは正当な表現手法なので、たとえ制作上の意図がなくとも批判される謂れはないはず。とはいえ文脈が存在する場合、視聴者が「なぜこうしたパロディを入れたのか」と考えて楽しめる……というメリットが生まれることも事実だろう。
原作理解度の高さも含めて、“MAPPAらしさ”が溢れる出来となっている『呪術廻戦』第3期。パロディの文脈を理解するためにも、ぜひ本編の内容を観てほしい。
■放送情報
TVアニメ『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」
MBS/TBS系28局“スーパーアニメイズム TURBO”枠にて、毎週木曜24:26~全国同時放送
キャスト:榎木淳弥、内田雄馬、浪川大輔、緒方恵美
原作:『呪術廻戦』芥見下々(集英社ジャンプコミックス刊)
監督:御所園翔太
シリーズ構成・脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:矢島陽介、丹羽弘美
副監督:高田陽介
美術監督:東潤一
色彩設計:松島英子
CGIプロデューサー:淡輪雄介
3DCGディレクター:石川大輔(モンスターズエッグ)
撮影監督:伊藤哲平
編集:柳圭介、ACE
音楽:照井順政
音楽プロデューサー:小林健樹
音響監督:えびなやすのり
音響制作:dugout
制作:MAPPA
オープニングテーマ:King Gnu「AIZO」(Sony Music Labels)
エンディングテーマ:jo0ji「よあけのうた」(Sony Music Labels)
©︎芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
公式サイト:jujutsukaisen.jp
公式X(旧Twitter)https://x.com/animejujutsu




















