中村ゆりが人生において大事にしている“人”との繋がり 20代の苦労を経て辿り着いた現在地
草彅剛は「とても紳士的で学ぶことが多かった」
ーー草彅さんは座長としてどんな存在でしたか?
中村:ずっと楽しい存在でした。冗談を言ったり、誰よりも大声を出して現場を盛り上げてくれたり。でも、それがパフォーマンス的じゃなくて、“剛さんがそうしたくてしている”と思わせてくれるのが、すごいところなんですよね。剛さん自身も楽しい雰囲気が好きだし、みんなが楽しんでいる姿を見るのが好きらしく。「せっかくやるなら、楽しみながらがいいよね!」みたいなスタンスでいてくれるんです。でも、それを過度にやりすぎると、若手にとってはプレッシャーになったりするじゃないですか。
ーー草彅さんはそのあたりの塩梅が上手そうですよね。
中村:そうなんです! とてもナチュラルで。そういう部分を含めての思いやりなんだろうな。人間関係において、とても紳士的で学ぶところが多かったです。控え室が同じことが多かったんですけど、ギターをポロポロ弾かれている姿も印象に残っています。
ーー共演は初めてだったんですか?
中村:同じドラマに出演したことはあるんですけど、絡みがなかったんです。だから、お互いに「なんか、一度共演してたっぽいよね」くらいの感じで。CMでご一緒したこともありますが、スタンバイも別で、会話という会話をしていなかったので、ここまでがっつりご一緒するのは初めてです。
ーーがっつり共演してみて、印象は変わりましたか?
中村:もう少し寡黙な方なのかなと思っていたんですけど、すごく明るい方でした。何より、まわりにいる人の機嫌を良くしてくれるというか。それって、簡単には真似できないと思うんですよね。スターだからとか、先輩だからとかいう威圧感がまったくないんです。
ーー高橋碧役の小澤竜心さんにインタビューをしたときも、同じようなことをおっしゃっていました。
中村:ですよね! とにかく緊張感のない現場作りをしてくださっていたので。あそこまでのスターなのに、1日一緒にいただけで「まったく緊張しない!」ってなるくらい(笑)。最初は、草彅さんの相手役をやらせていただくプレッシャーもあったんですけど、それをすべて吹き飛ばしてくれたんです。芝居をする上で、ある程度の緊張感は大事ですが、余計な緊張感があると思いどおりのパフォーマンスができなくなることもあって。今回の現場では、そういった余計なことを考えずに、ずっとお芝居だけに集中することができました。剛さんのおかげだなと思います。本当に助かりました。
ーー『匿名の恋人たち』(Netflix)など出演作が続いていますよね。お休みはあるんですか?
中村:ありがたいことに、お仕事ばかりさせていただいています(笑)。でも、この世界で仕事があるというのはすごく特別なことだと思うんです。私は、20代のときとかにオーディションに受からなくて仕事がない時期を経験しているので。当時は、「仕事をいただいたら、とにかくなんでも受ける!」みたいなスタンスでやっていたんです。そのなかで、たくさん失敗もして。でも、おかげで経験値が上がったので、自ずと役の幅が広がってきた気がします。ただ、今これだけお仕事をいただけているのは、辞めずに粘り強く続けている人が減ってきているからというのもあると思うんですけどね。単純に、粘り強く続けてきた結果というか。
ーーでは、中村さんが生きていく上で大事にしていることを教えてください。
中村:“人”ですかね。私は、我が道を行く一匹狼タイプではないから、助けてもらわないと何もできないし……。お仕事をする上ではまわりのスタッフさんや事務所の方に、私生活では友達にものすごく助けてもらっています。友達は、30年くらいずっと同じ人と遊んでいるんです。困ったことがあれば、家族ひっくるめて助けてくれたりとか。本当にありがたいですよね。あまり良くない人間関係を築いてしまったこともあるけれど、それは自分自身も良くない状態なときで。自分が誠実な対応をしていたら、まわりも同じような人で固まるんですよね。
ーー年齢を重ねるなかで、周囲との向き合い方が変わってきた?
中村:そうですね。ただ、10代のときはもっと仕事ファーストだったなと思います。今もそれは変わらないけれど、当時は「休みなんかいりません!」って感じでメラメラしていました。でも、いま思えばメンタル的にキツかったんですよね。常に「やったる!」みたいなマインドでいると、煮詰まってしまうので、すごく消耗するんです。ただ、そういう経験を経ていまがあるから……あのときのがむしゃらさというのは必要だったんだろうな。今は、いろいろなことが削ぎ落とされて、気持ち的にゆったりしていると思います。なんていうか、“省エネ”ができるようになりました。手を抜くというわけではないけれど、いい感じの強弱がつけられるようになったのは、経験のおかげかなと思います。
『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』の高橋美幸が脚本を手がけたヒューマンドラマ。遺品整理人である主人公が、遺品整理会社の仲間たちとともに、さまざまな事情を抱えた家族に寄り添っていく。
■放送情報
『終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週月曜22:00~放送
出演:草彅剛、中村ゆり、八木莉可子、塩野瑛久、長井短、小澤竜心、石山順征、永瀬矢紘、要潤、国仲涼子、古川雄大、月城かなと、大島蓉子、小柳ルミ子、村上弘明、中村雅俊、風吹ジュン
脚本:高橋美幸
演出:宝来忠昭、洞功二
演出・プロデューサー:三宅喜重
プロデューサー:河西秀幸、三方祐人、阿部優香子
音楽:菅野祐悟
主題歌:千葉雄喜 「幸せってなに?」 (Warner Music Japan)
制作協力:ジニアス
制作著作:カンテレ
©︎カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/shumaku-rondo/
公式X(旧Twitter):@shumaku_rondo
公式Instagram:@shumaku_rondo