ベルギーで起きた少女拉致監禁・殺人事件を基にした映画『Maldoror（原題）』が、『マルドロール／腐敗』の邦題で11月28日より新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開されることが決定した。

　『変態村』『地獄愛』『依存魔』の“ベルギーの闇3部作”で知られるファブリス・ドゥ・ヴェルツ監督が手がけた本作は、ベルギーで実際に発生し、司法を揺るがす結果となった“デュトルー事件”を基にしたクライムスリラー。

　ヴェルツ監督は本作のテーマについて「悪の本質と正義の探求を試みた。社会のトラウマに光を当て、悪に立ち向かう私たちの能力についてアプローチしたかった」と語っている。第81回ヴェネツィア国際映画祭公式セレクションに選出され、第57回シッチェス・カタロニア国際映画祭では最優秀長編作品賞にノミネートされた。

　舞台となるのは1995年のベルギー。少女失踪事件の犯人を追うことになった主人公の憲兵隊ポール（アントニー・バジョン）は、危険な小児性愛者を監視する秘密部隊「マルドロール」に配属される。しかし作戦は失敗し、腐敗した警察組織の闇に直面したポールは、事件解決のため我を失い暴走していく。

　ポール役で主演を務めたのは、『La prière（原題）』で第68回ベルリン国際映画祭銀熊賞（男優賞）を受賞したアントニー・バジョン。そのほか、『変態村』『地獄愛』で主演を務めたローラン・リュカ、『ベティ・ブルー』『屋敷女』のベアトリス・ダルが共演に名を連ねた。

　あわせて公開された日本版ポスタービジュアルには、血走った目にテレビ画面の反射がわずかに光り、目の下にも青白く刻まれた隈があるポールの姿が写し出されている。また、右下には行方不明となった少女たちの写真が配されており、「どこまで行けば、たどり着けるか」というキャッチコピーが添えられている。

■公開情報
『マルドロール／腐敗』
11月28日（金）新宿武蔵野館ほか全国順次公開
出演：アントニー・バジョン、アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ、ローラン・リュカ、ベアトリス・ダル
監督：ファブリス・ドゥ・ヴェルツ
脚本：ファブリス・ドゥ・ヴェルツ、ロマン・プロタ
撮影：マニュエル・ダコッセ
音楽：ヴァンサン・カエイ
編集：ニコ・ルーネン
提供：エクストリーム
配給：アンプラグド
2024年／ベルギー・フランス／原題：Maldoror／フランス語／155分／1.78：1／カラー／G
©FRAKAS PRODUCTIONS - THE JOKERS FILMS – ONE EYED – RTBF – FRANCE 2 – 2024
公式サイト：https://unpfilm.com/maldoror/
公式X（旧Twitter）：https://x.com/konohoshi_movie