『放送局占拠』『日本統一』で注目 北代高士が語る、小沢兄弟への感謝と藤井道人との夢

北代高士、小沢兄弟への感謝と藤井道人との夢

一番の強みは「学生生活を楽しんできたこと」

ーー北代さんは、日芸(日本大学芸術学部)ご出身なんですよね? 

北代:はい。同期に藤井道人とか中村倫也がいて。

ーーそれはまた豪華ですね……!

北代:藤井に関しては、同じサークルに所属していたり、「一緒に自主映画を撮ろうよ」とか言い合っていた仲で。「ミック」「番長」と呼び合っています(笑)。そのミックが、舞台挨拶かトークショーかなんかで、「今後、一緒にやりたい役者はいますか?」という質問をされて、「大学の同期の中村倫也と北代高士」と答えてくれたみたいなんですよね。

ーー感動的なエピソードですね。

北代:それをファンレターで教えてもらったんです。「会場の人たちは“中村倫也”で『わー!』って盛り上がって、“北代高士”って言ったときに、『えっ、誰?』ってなってたけど、わたしはすごく嬉しかったです!」って書かれていて。褒めてるのか貶されているのか……(笑)。でも、ミックをはじめ、中村倫也とか、昔の仲間たちとまた一緒にできたらいいなというのは目標のひとつとしてありますね。同期だからとかではなく、たまたますごい人を集めたらこうなった、みたいな感じで。

ーー日芸には俳優を目指して入ったんですか?

北代:ずっと野球をやっていて、将来の夢は甲子園に出ることだったんです。中学で全国大会に行って、私立の学校から推薦のお話をいただいたりしたんですけど、それを断って大阪の公立高校に入学して。当時の僕は世間知らずだったんですよね。「自分がみんなを甲子園に連れて行くんだ!」と思って入学したら、全然うまくいかなくて。夢だった甲子園も予選で敗れて、空っぽになっているときに、学校行事で『美女と野獣』の劇をやることになって、野獣役に選ばれたんです。

ーーその『美女と野獣』がターニングポイントに?

北代:はい。芸術が盛んな学校だったので、オペラ演出家の先生みたいな方に、1カ月くらい稽古をしてもらって。そのときに、「感動した!」って泣いて喜んでくれる人がいて、「こんなに面白い世界があるんだ!」と思ったんです。数学が得意だったので、なんとなく理数系の大学に進学しようと思っていたんですけど、舞台を終えてすぐ親に「お芝居を学ぶ大学に行きたい」と伝えました。

ーーご両親の反応は?

北代:正直、反対されると思っていたんですけど、「やりたいかどうか分からずに、ただ得意だからってだけで行く大学よりも、お前が心からやりたいと思うことに金を出したい」って言ってくれました。そこから、1日10時間くらい猛勉強しましたね。

ーー『美女と野獣』をきっかけに、人生がガラリと変わったんですね。

北代:はい。なので、ディズニーの『美女と野獣』コーナーに行ったりすると、ボロボロ涙が出てきます(笑)。

ーー今後、やってみたい役はありますか?

北代:そろそろ、いいパパとかやりたいですね。あと、消防士とか、人を助けるような役も。いろいろな人生を歩んでみたい気持ちがあります。昔は、世間知らずで頭も固かったので、「役者をやるなら一番にならないと意味がない」とか思っていたんですけど、今は脇役も楽しいなと思うし。撮影ができること自体が最高に幸せだなと思うようになってきました。そのあたりの力が抜けてきたのかなぁ。

ーー北代さんは、演じる役柄の幅が広いですよね。

北代:そうですね。任侠作品のイメージが強いかもしれませんが、デビュー作はミュージカル舞台『テニスの王子様』ですし。舞台界では、コメディの役を振られることが多くて、渋い役はほとんどないんです。だから、舞台で知ってくれた人は、任侠作品をやってる僕を観てビックリするらしいです。「同じ人だって気づかなかった」と言われたこともあったりして。イメージを崩さないために同じような役しかやらないという方もいると思いますが、僕は2.5次元もやれば、BLもやるし、コメディもやる。もちろん、任侠も。それが、自分の売りだと思います。

ーーでは、最後にご自身が思う一番の強みを教えてください。

北代:芸能界って、“各レベルの頂点を取ってきました!”みたいな人がいっぱいいて。そのなかで負けないことってなんだろうと考えたときに、“学生生活を誰よりも楽しんできたこと”じゃないかなと思ったんです。自分は芸能界に入ったのが遅くて、学生生活を死ぬほど楽しんできたので。応援団長とか野球部のキャプテンとか、代表になることが多かったので、みんなをいかに楽しませるかというのを常に考えてきて。だから、楽しませるのも楽しむのもうまい……というのが、自分の一番の強みなんじゃないかなと思います。それを今後の俳優業にも活かせることができたら嬉しいですね。

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