大根仁、次回作は『地面師たち』続編ではなく「とんでもない敵に立ち向かう男たちの話」

中盤では、各々がNetflixで制作を進めている次回作の話にも話題が及んだ。
大根は「どこまで言っていいのかわからないんですけど、まず『地面師たち』の続編ではありません」と断言しつつ、「いつかやりたいなと思っていたけど、この企画にゴーを出してくれる映画会社やテレビ局はないだろうなという企画が『地面師たち』の他にもう1個あって、その企画が進行中です。これまで僕は東京を舞台にした現代ものを中心にやってきた。自分では“シティ派監督”という自覚があるんですけど、そういったものとは180度違う、自然環境であり現在という設定でもない。あるとんでもない敵に立ち向かう男たちの話」と準備も大詰めの次回作について話した。
『今際の国のアリス』チームと再タッグを組む佐藤の次回作はクランクイン直前のようで、「あまり人がやらないものをやりたくなってしまう気質があって、日本から意外と出てこなかった本格的なSci-Fiに取り組んでいます。行くとこまで行くぞと。ちょっと観たことない、ありそうでないような作品をやろうと思っている」と製作中の新作についてコメント。そこに髙橋が「過去の作品で例を挙げるなら『ターミネーター』と『ストレンジャー・シングス 未知の世界』を掛け合わせたような作品になると思っている」と付け加えた。「日本の映画は、『ゴジラ』もそうですけど、日常と非日常が絶妙なバランスで組み合わされている。『ウルトラマン』もそうなんですけど、日本独特のSF作品の空気を持っているんじゃないかと思っている。それの極みみたいな作品になると思っています」と佐藤が続けると、大根が「オリジナルですか? すごくモヤモヤするんですけど」とツッコみ、会場を笑わせた。
『イクサガミ』の仕上げが終わったばかりだという藤井は、30代最後の作品になるであろう準備中の作品について、「たくさんの作品に出会わせていただいた総力戦みたいな。そこで出会った皆様と、ちゃんと日本のチームで、世界を舞台に戦える作品を作りたいなと思って、海外を飛び回って準備しています。日本人だからこそ撮れる、日本の話をやります。日本人にとっての豊かさや平和とは何かというところを、激しめなアクションで繋げられればいいなと。自分にとっても勝負になるエンターテインメント作品を準備しています」と回答。続けて「『イクサガミ』は日本人のチームで日本の時代劇をどうアップデートするかを岡田准一さんと一緒にディスカッションしながら作った作品なんですけど、次は自分の視野をもう少し広く持って、世界の皆様にどう観てもらえるかを画策中です。もう少し戦闘能力の高いアクション、円熟したもの。予算的な部分に直結するのがアクションとVFXなので。そういう挑戦をさせてもらえる環境が今まで自分にはあまりなかったので、Netflixでみせられるしっかりとしたエンターテインメントということで、アクションとVFXを勉強させてもらっています」と話すと、再び大根が「主演誰ですか? すごいモヤモヤするんですけど」とツッコんだ。

山田のNetflixでの次回作はすでに発表されている『国民クイズ』。脚本開発から携わっている同作について、「原作のままやるんだったらアニメでやればいいし、実写でやるのであれば実写にしかできない部分を足していく作業が必要。今回は、どこをリアルにして、どこをぶっ飛んだ漫画の世界観にするかがすごく難しかった」とリアリティラインの調整の難しさがあったことを明かした。
最後のテーマは、“今後、Netflixに期待したいこと”について。労働環境のさらなる充実や日本と海外の垣根を越えた作品づくりなどが話題にあがる中、山田は「日本の俳優ももう少しギャラを上げてほしいです」と懇願。「もちろん他の映画とかと比べてNetflixのギャラはいいです。ただ、日本の俳優は未だに企業さんのCMに頼らないといけないというのが事務所を含めてあるので、自分が磨いてきたスキルで、本業でしっかりとお金を稼いでいきたい。外と比べるということじゃないんだけど……やっぱり安い! 最初にそういう保証があるほうが俳優もやる気も出ると思うので、そこらへんは課題だと思っています」と力強く語った。

続く「アニメ作品」のパートでは、株式会社MAPPA代表取締役社長の大塚学、株式会社トムス・エンタテイメント取締役上席執行役員の吉川広太郎、『My Melody & Kuromi』を監督した映像作家・アニメーション監督の見里朝希、同じく『My Melody & Kuromi』の脚本を手がけた劇作家・演出家の根本宗子、そしてNetflixコンテンツ部門ディレクターの山野裕史の5名が登壇し、Netflixでのアニメーション制作や今後のNetflixに期待することなどが語られた。






















