ぼる塾が『映画 おでかけ子ザメ とかいのおともだち』を熱弁! 大人もハマる魅力を深掘り

子どもも大人もグッとくる、「やさしさ」の連鎖

――幅広い年齢の方が楽しめる作品になっていますが、「大人になった今だからこそ染みた」というシーンはありますか?
きりや:わたしは、はるとくんがお弁当を作るシーンにやられました。愛情いっぱいに作ったごはんやおかずもそうなんですが、何より子ザメちゃんと出会うきっかけになったキーホルダーを、そっと入れるところにグッときちゃって。さっきのモヒカンあにきもそうですけど、自分も気に入っているキーホルダーだったはずなのに、子ザメちゃんのためならあげられるっていう。この作品は、何かを“分け合う”っていう瞬間がすごく多いんですよね。ごはんを一緒に食べるシーンも多くてほっこりするので、そこはぼる塾と似ているかも。
あんり:いやいや、うちらは「分け合う」ってできないよ!
田辺:うん。自分のは自分で食べたい!
酒寄:みんな、食べるときは真剣だからね!
きりや:あれ? 違ったみたいです(笑)。
一同:(笑)。

酒寄:でも、はるとが大雨で遊園地に行けなくなった子ザメちゃんのために、家で遊園地を再現してあげたシーンは、ちょっと田辺さんと重なったんですよね。前に、みたらしとテーマパークに行こうって言っていたんですけど、大雨で行けなくなっちゃったことがあって。その代わりに初めて映画館に行くことにしたんです。そしたら、その話を聞いた田辺さんが映画館まで駆けつけてくれて「映画館デビューおめでとう」って言ってくれたんですよ。
田辺:だってあんなに楽しみにしてたのに、雨でなくなっちゃうのはかわいそうだなと思って。わたしが行って、ちょっとでも喜んでくれるならと思って。
きりや:めっちゃ、やさしい!
酒寄:みたらしもうれしかったと思うんですけど、みたらしにやさしくしてもらったわたしのほうがもっとうれしくて。大人になってから、他の大人が誰かにやさしくしているのを見ると、「こんなにやさしい人がいるんだ」って思わず目頭が熱くなっちゃうんですよね。田辺さんも、はるとも、そんな感じでみたらしや子ザメちゃんにやさしくしている姿を見て、めちゃくちゃうれしくなりました。

――そんな田辺さんに響いたシーンはどこでしたか?
田辺:わたしは、八魚町から都会へ引っ越さなくちゃならなくなって落ち込んでいたそらのパートですね。正直、距離が離れてしまうと友情って続けていくのが難しいんですよ。「また遊ぼうね」って言ってはいても、なんとなくお互いに新しい世界ができて、それぞれが相手の生活に「忙しいんじゃないかな」って遠慮して、そのまま疎遠になっちゃうことも珍しくないじゃないですか。でも、この映画の中では、ちゃんとそらと友達のみほの関係が続いていて「あ〜、よかったな〜」ってホッとしました。理想的な展開に、忘れていた何かを取り戻せたような気持ちにもなったんですよね。
あんり:でも田辺さんは、どの時代の友達ともずっと友情が続いているほうだよね?
田辺:うん。それも遠慮せずに会うようにしてるから。高校生の頃に出会った友達ともつながっていて、みんな東京、埼玉、神奈川……って住んでいるところはバラバラなんだけど、この前も会ったばかりなんですよ。一度、そのメンバーのうちの1人が出産をしたとき、「忙しいだろうから」って遊びに行く誘いをしなかったことがあったんですよ。そしたら、その子から「寂しい」って言われて。そのとき、「え、そうなの!?」って驚いたんです。そこからは変に遠慮せずに声をかけていこうって思って。だから、酒寄さんがみたらしを産んでも遠慮せずに連絡しました。
酒寄:出産した翌日に「モノボケ一緒に考えてくれない?」って連絡が来ました(笑)。
――産んだ翌日って、心身ともに疲労困憊ですよね!?
酒寄:そうです(笑)。ボロボロでしたけど、その変わらないでいてくれる感じがうれしかったっていうのもあって。喜んでピコピコハンマーでボケを考えました。

――そんな田辺さんだからこそ、そらの友情にグッときたんですね。では、あんりさんはいかがですか?
あんり:わたしは、子ザメちゃんがおにぎりを2個もらって、あんこうちゃんと分け合いっこするシーンですね。それだけでも心が震えたんですよ。「おいおい、あげちゃって大丈夫か?」「お腹がすくタイミング、他にもあるんじゃないか? 先見てるか?」って(笑)。そしたら、そこにホストさんが現れて2個とも食べちゃうじゃないですか。あのシーンは本当に衝撃的でした。でも、ホストさんがそのおにぎりを食べて家庭の味を思い出しているのも、そのあと子ザメちゃんたちにチーズハットグをごちそうしているのも、どっちの立場も「ああ、わかるな」ってなったんですよね。
わたしも実家は東京なんですけど、それでも実家にいるときは都会の食べ物に憧れていました。それこそ、妹と新大久保に行ってハットグを食べて、虹色のチーズを伸ばしに伸ばしてました。でも、家を出て一人暮らしをしている今となっては、誰かが握ってくれたおにぎりとチーズハットグ、どっちが食べたいかって聞かれたら、やっぱりおにぎりなんだよな〜って。ああいうシーンは、子どもよりも大人に刺さる気がしましたね。

田辺:あそこ、ホストのお兄さんがコンビニとかで買ってないとこもいいよね。ただおにぎりを返すだけじゃなくて、ちゃんと子ザメちゃんたちが喜びそうなところを選んでいるのが。
きりや:もしかしたら子ザメちゃんたちに何が食べたいのか聞いたのかな、って想像してホクホクした気持ちにもなったよね。
酒寄:買ってもらった子ザメちゃんたちのリアクションもかわいかったな〜。目をキラキラさせて!
あんり:この映画っていろんな種類のやさしさがあるっていうのを教えてくれるというか。大人になるほど、「何かしてあげたい」と思いながら、どんなふうにやさしくしてあげたらいいのかわからなくなることもあると思うんです。だから、「やさしさの勉強」って言ったら言葉が変かもしれないんですけど、「あ、こんな方法もあったのか」っていう引き出しが増える映画だなって思いましたね。

きりや:そうそう。しかも、やさしくされて終わりじゃなくて、そのやさしさが連鎖していく感じがあるのもいいですよね。
酒寄:セリフがない名シーンも多くて。「あのとき、子ザメちゃんってなんて言ってたと思う?」とか、子どもと会話を想像する絵本的な余白ができるのもいいんですよね。親子で観るのもオススメです。
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――みなさんが子ザメちゃんのように、大冒険をした思い出はありますか?
きりや:それでいうとわたしは、田辺さんと行った海外旅行が言葉通り“世界が広がった”出来事でした。もともと海外には興味がなかったんですけど、田辺さんと1年半ほどルームシェアしていた時期に「シンガポール行くんだけど、はるちゃんも来る?」って誘ってくれて。そのとき、「これを逃したら一生海外に行くことないかも」と、思い切ってパスポートを作って行くことにしたんです。ベタなんですけど、マリーナベイ・サンズで見た夜景がめちゃくちゃキレイで、本当に「生きてて良かった」って思いました。それから田辺さんといろんなところに行かせてもらってて。最近では香港にも弾丸で行きました。行く直前になって迷ったり怖くなったりしたこともあるんですけど、そのたびに田辺さんが絶対に背中を押してくれるんですよ。
あんり:田辺さん、どんだけ人の人生変えてんの。
田辺:そうだよ、すごいんだよ、わたし!
あんり:そんな田辺さんの大冒険は、ギャルになったことでしょ?
田辺:そう。27歳のときにね。それまでテーマパークで働いてたんですけど、ギャルへの憧れが強すぎて。「人生で1回はなっておきたいな」って思って、やりがいもあったし、すごく楽しかったけど、仕事も辞めてギャルになって渋谷で遊びました。あれはだいぶ人生の冒険でしたね。
あんり:そんな覚悟を持ってやったギャルを辞めた理由が、「ギャルの主食がアイスで無理だった」っていう。まさかの“食の不一致”が原因(笑)。
田辺:そうなの。ギャル、アイスしか食べないんですよ。逆にわたしはアイスが食べられなくて。ギャルはファーストフード店に行ってもシェイクしか飲まないの。カラオケに行っても必ずソフトクリーム食べ放題もつけてくる。最初は合わせてたんですけどね。でも、やっぱり限界が来て、「わたしはポテトが食べたいんだ!」って言ってギャルを辞めました。
一同:(笑)。

――もし、ぼる塾さんが子ザメちゃんと「おでかけ」するなら、どんなふうに過ごしたいですか?
あんり:わたしは長野に連れていきたいね。水がすごくおいしいから。子ザメちゃん、きっと長野の水にびっくりすると思う。
田辺:それを言ったらわたしも長野で、おいしいパンを食べさせたいな。花澤香菜さんもパンが好きって聞いたことあるし。
あんり:なんで長野ってパンがおいしいか知ってる? 水がうまいからだよ!
酒寄:子ザメちゃんの大好物はパイナップルなんだよ。

あんり:え!? そしたら、うちら日本で一番うまいパイナップル知ってるじゃん!
田辺:そうだそうだ! まさかの新宿で「うめぇ!」って盛り上がったやつね。
酒寄:みたらしは、うちが最近引っ越しの話が出てるせいか、「引っ越したら子ザメちゃんに来てもらう」って言ってて。
きりや:あ、それいいじゃん! みんなで引っ越し祝いパーティーをしようよ! みんなで、『おでかけ子ザメ』を観ながら、「ここが良かった」「このシーン最高!」とか言い合いっこしたい。
あんり:それいいね! その横で、みたらしと子ザメちゃんがいっしょに遊んでる……とか、想像しただけで心があったかいわ。
田辺:そのときわたし、自慢しよう。「わたし、子ザメちゃんとごはんに行ったことあるよ」って。
酒寄:田辺さん、まだ行ってないよ(笑)!
■公開情報
『映画 おでかけ子ザメ とかいのおともだち』
8月22日(金)より全国ロードショー
キャスト:花澤香菜(子ザメちゃん)、潘めぐみ(あんこうちゃん)、久野美咲(うさめちゃん)、梅原裕一郎(モヒカンあにき)、花江夏樹(はると)、宮田俊哉(サラリーマンのお兄さん)、高野洸(バーテンダーさん)、杢代和人(ホストさん)、石見舞菜香(そら)、来栖りん(そら)、降幡愛(しゃしんのお姉さん)、小市眞琴(まなぶ)、菊池紗矢香(モデルのお姉さん)、楠見尚己(おじいさん)、植田佳奈(女将さん)、鈴木崚汰(ドーベルさん)
原作:ペンギンボックス(『おでかけ子ザメ』/KADOKAWA「キトラ」刊)
監督:熊野千尋
コンテ・演出:熊野千尋
脚本:長嶋宏明
キャラクターデザイン:竹内あゆみ
色彩設計:西詠仔
美術監督:北島雅代
撮影監督:佐々木明美
音響監督:小泉紀介
編集:小口理菜
音響効果:武藤晶子
音響制作:dugout
音楽:藤澤慶昌
主題歌:ロザリーナ「where you come from」(Sony Music Labels)
アニメーション制作:ENGI
製作:KADOKAWA
配給:角川ANIMATION
©ペンギンボックス・KADOKAWA/おでかけ子ザメ
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