『鬼滅の刃』産屋敷一族の新当主は何者? お館様の意志を受け継いだ“子どもたち”

『鬼滅の刃』産屋敷一族を解説

 無限城を舞台に、鬼舞辻無惨率いる鬼たちと鬼殺隊の全面対決を描いた『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』。この戦いは“お館様”こと産屋敷耀哉が自らの命をかけて仕掛けた作戦が発端となっている。

 今回はそんな耀哉および産屋敷一族の設定について注目。アニメではあまり触れられなかった小ネタや設定に触れつつ、その生きざまを振り返っていきたい。

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※本稿は『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』のネタバレを含みます

 産屋敷一族は代々鬼殺隊を指揮する地位に就いており、周囲から強い尊敬の念を集めている存在。しかし元を辿れば、無惨と同じ血筋だった。そのことによって一族には“呪い”のような現象が発生し、病弱な子どもしか生まれなくなったため、一時は血筋が絶える寸前だったという。

 その後、神職の一族から妻をもらうようになり、呪いは緩和されたそうだが、それでも「30年以上生きられる者はいない」という厳しい運命は残り続けた。だからこそ、産屋敷家の者は天命を背負ったような覚悟で鬼たちを滅ぼそうとしたのだろう。

 そして97代目の当主・耀哉も呪いを一身に受けており、刀をまともに振ることすらできないほど虚弱な体質だ。最終的には足腰が立たなくなるまでに弱りきり、23年という短い人生を終えた。その身体を突き動かしたのは「無惨を倒す」という強烈な執念で、医者から「数日で死ぬ」と言われながら半年を生き延びたという。

 ただし耀哉は戦場には立てないものの、リーダーとしての資質がずば抜けていた。その声は現代で言うところの「1/fゆらぎ」という性質があり、相手を心地よくさせ、心を動かすことができる。また悲鳴嶼行冥いわく、「人が欲しくてやまない言葉」を与える才覚もあったようだ。

 さらに、亡くなった者の名前と生い立ちを余すところなく記憶しているほど、鬼殺隊の隊士に深い愛情を注いでいるのも特徴。そのため一般隊士たちはもちろん、「柱」の面々からも厚い信頼を寄せられていた。

 また産屋敷一族には、未来に起きる出来事を見通す「先見の明」も備わっているとのこと。アニメ「柱稽古編」の終盤では、耀哉が「5日以内に無惨が来る」と予想し、入念な策を仕込んでいたことが明かされた。

 とはいえ何よりすごいのは、やはり「すべてを犠牲にしても無惨を討つ」という覚悟だろう。耀哉は無惨を罠にかけるため、自身の命を囮にしただけでなく、妻と2人の子どももろとも産屋敷邸を爆破させたのだった。

 並みの人間ではありえないその行動に対して、無惨ですら「あの男は完全に常軌を逸している」と驚愕していた。とくに無惨は極端に肥大したエゴイズムによって、自分の存在を維持することを重要視しているため、誰かのために命を犠牲にするという決断はあまりにも想定外だったのではないだろうか。

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