『僕達はまだその星の校則を知らない』“肩乗せ系女子”増殖中？　天文部復活へ磯村勇斗が意欲

　『僕達はまだその星の校則を知らない』（カンテレ・フジテレビ系）第3話は、想像と現実のあいだにあるものが問われた。

　2年の三木美月（近藤華）が盗撮被害に遭った。相手は同じクラスの内田圭人（越山敬達）。内田は、背後から三木に近づくとスマホのカメラを連写。内田は仲の良い男子生徒と写真を共有しており、性的な目的で拡散されたと考えた三木は、健治（磯村勇斗）に相談する。

　令和5年（2023年）7月に「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律（性的姿態撮影等処罰法）」が施行され、盗撮行為が撮影罪として新たに処罰の対象となった。これには、学校内での生徒同士の盗撮も含まれる。

　健治は生活指導の山田（平岩紙）とともに三木から事情を聞き取り、対応策を練る。健治が考えた「最善の道しるべ」を実行するため、珠々（堀田真由）の手を借りて慎重にことを進めた。第3話冒頭で、光石研演じる男性が男子生徒に盗撮された動画を見せるシーンが重なったことで、余計に盗撮の印象が強まったものの、結論から言うと誤解の産物だった。

　どこからが罪になって、どこまでなら許されるのか。有罪と無罪、違法な行為と適法な行為の線引きは難しい。特に今回のようなケースは判定が微妙だ。内田に盗撮の意図はなく、それどころか別のものを撮ろうとして写り込んでしまったのが真相だった。別のものはテントウムシで、関東地方で見られないハイイロテントウを撮ろうとしたのだった。

　めちゃめちゃピュアな動機で、性加害でないことは明白であるものの、ちょっとした誤解が生まれやすいのが学校で、この年代ならではのアクシデントと言えなくもない。同じ行為でも撮影した意図や目的によっては撮影罪が成立することに注意が必要だ。想像していたものと現実の認識にはへだたりがある。誤解によって、かえって三木と内田の仲が深まったのは双方にとって幸いだった。事実確認を先行させる健治のやり方は適切で、深刻な事態になることを事前に避けることができた。

　希少な昆虫が肩に乗るなどという偶然が本当にあるのか、といぶかしむ向きもあるだろう。先日開催されたFUJI ROCK FESTIVAL '25では、最終日のWHITE STAGEトリの前に登場した羊文学の演奏中に、飛んできたセミがボーカル・ギターの塩塚モエカの肩に止まるも、本人は意に介さずライブを続行するハプニングがあったばかりだった。7月25日にもRED MARQUEEに出演したkurayamisakaのボーカル内藤さちの肩にバッタが乗っている姿が目撃されている。はからずも「霊長類ヒト科肩乗せ族」女子の存在をドラマの中と外で示すようだった。

　第3話について言えば、天文部復活へ向けて3年の高瀬（のせりん）が健治の助言を得ながら、一歩を踏み出す様子が並行して描かれた。宇宙と星へのあこがれは、さまざまな問題を抱えた濱ソラリス高校の生徒と教師、そして健治たちにどんなドラマを演出するだろう。詩心を共有する健治と珠々の関係の深まりや、理事長の尾碕（稲垣吾郎）と健治の父である誠司（光石研）の因縁も気になる。健治が校門を気にせず通るにはまだ時間がかかりそうなので、健治の過去をめぐってもうひと波乱あると考えていいだろう。

■放送情報
『僕達はまだその星の校則を知らない』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週月曜22:00～放送
出演：磯村勇斗、堀田真由、平岩紙、市川実和子、日高由起刀、南琴奈、日向亘、中野有紗、月島琉衣、近藤華、越山敬達、菊地姫奈、のせりん、北里琉、栄莉弥、淵上泰史、許豊凡（INI）、坂井真紀、尾美としのり、木野花、光石研、稲垣吾郎
脚本：大森美香
音楽：Benjamin Bedoussac
主題歌：ヨルシカ「修羅」（Polydor Records）
監督：山口健人、高橋名月、稲留武
プロデューサー：岡光寛子（カンテレ）、白石裕菜（ホリプロ）
制作協力：ホリプロ
制作著作：カンテレ
©︎カンテレ
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