“もしもの世界”に生きる姉妹の冒険模様が 『ユニバーサル・ランゲージ』予告編&ポスター
8月29日に公開される映画『ユニバーサル・ランゲージ』の予告編とポスタービジュアルが公開された。
第97回アカデミー国際長編映画賞のカナダ代表にも選出された本作は、架空のカナダ・ウィニペグを舞台に、ちょっとズレた人々が織りなす、すれ違いのファンタジー。カナダ首相の座を巡る権力争いを皮肉と遊び心たっぷりに描いたブラックコメディ『The 20th Century(原題)』が、ベルリンやトロントなど主要な国際映画祭で絶賛されたマシュー・ランキンが監督を務めた。ランキン監督は本作について「この映画の主要なテーマの一つは“人に優しくすること”」と語っている。
公開された日本オリジナルの予告編では、ペルシャ語とフランス語が公用語になった、“もしもの世界”のカナダ・ウィニペグの様子が映し出されている。暴れまわる七面鳥に、新調したメガネを奪われたと語る少年・オミッドは、学校の先生に黒板の字が読めるようになるまでは、授業を受けさせないと理不尽な待遇を受けてしまう。同情した同級生のネギンと姉のナズゴルは、凍った湖の中に眠る大金を取り出して、新しいメガネを買ってあげようと思いつく。姉妹は、大人にお金を取り出すためのアドバイスを求めるも、街の住民たちは、みんなちょっとヘンテコな人たちばかりで、なかなか良い助言がもらえない。思うようにいかない中、そこに廃墟を観光スポットとして紹介する奇妙なツアーガイド・マスードや、仕事に嫌気が差して自暴自棄になったマシューも登場すると展開が一転していく。てんやわんやな状況に陥っていたネギンとナズゴルは、無事にオミッドにメガネを買ってあげられるのだろうか。
また本作では、姉妹たちの冒険を通して、大人たちの悩みも打ち明けられていく。姉妹と一緒に、氷漬けのお金を取り出す作戦に協力するランキンの「なぜ人に親切するのか」という問いに対し、マスードが「我々はまるで2つの川が1つに合流するように、繋がっているからです」という、普遍的な回答で諭す場面も捉えられている。自分と他人との境界も曖昧になって混沌とするウィニペグで、それでも相手と関わり合おうとする登場人物たちを通して、“人に優しくすること”とは何かというメッセージも解いていくことも示されている。
日本オリジナルのポスタービジュアルでは、オレンジ色に染まった模様を背景に、大きな円が描かれている。円の中心には、氷漬けになったお金が配置されており、登場人物たちが取り囲む様に点々と登場。「これは忘れられたお金をめぐる小さな勇気と心暖かな人々の物語」というキャッチコピーも添えられている。
■公開情報
『ユニバーサル・ランゲージ』
8月29日(金)シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
出演:ロジーナ・エスマエイリ、サバ・ヴェヘディウセフィ、ピローズ・ネマティ、マシュー・ランキン
監督・脚本:マシュー・ランキン
脚本:ピローズ・ネマティ、イラ・フィルザバディ
配給:クロックワークス
2024年/カナダ/ペルシャ語・フランス語/89分/カラー/ヨーロピアンビスタ/5.1ch/原題:Universal Language/字幕翻訳:髙橋彩
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