『めおと日和』視聴者を沼らせた深見の魅力 小関裕太が体現する“ギャップ”がたまらない
瀧昌(本田響矢)となつ美(芳根京子)の初々しくも距離を縮めていく様子が大反響を呼んでいる『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)。そんな本作において、主役ではない立ち位置ながら気づけば視聴者の心を離さなくなっていたのが、深見中尉こと深見龍之介(小関裕太)だろう。
深見とは、帝国海軍に勤める瀧昌の同僚で、容姿端麗で仕事もできるMMK(劇中の海軍が使用している隠語で、モテてモテて困るの意味)。恋愛に不慣れな瀧昌とは真逆のタイプで、瀧昌のことを少しからかっているような素振りも見受けられるキャラクターだ。
その姿は“THE 少女漫画に登場するモテる人!”といったイメージ。余裕があって、女性から言い寄られることもあるもののあまり本気にはせず、少しだけキザな性格をしている。それだけでも、視聴者を魅了するのには十分なはずなのに、回を重ねるごとに芙美子(山本舞香)への思いが一途になっていく姿がなんともたまらないのだ。
実際、深見は第1話で結婚して浮かれ気味な瀧昌について「先がいつなくなってもおかしくない仕事だって、自覚があるんだと思っていた」と少し冷酷な反応。第2話でも同僚から「馴染みの芸者を呼んでください」と言われた際に「いないよ。面倒だから」と答えるなど、恋愛に対しては興味のないような発言をしていた。
また、芙美子とも最初は少々いがみ合っていた関係性だった。その上、対等に話せて、留守の間も家を仕切れる芙美子を“理想の結婚相手だ”と言い、政略的な理由から結婚を打診。このあたりまでは、結婚に恋情は不要だという考えだった。
しかし、第7話で盗みを働いた男の子に見せた優しさをきっかけに、2人は急接近。実は深見、自分に近づいてくるのは家柄が目当ての人か外見しか見ていない人ばかり、でも、そうではない芙美子に着実に惹かれていたのであった。
このシーンで胸の内を冗談っぽく話す姿と、「手紙、また送ってもいいですか?」と真剣な眼差しで話す深見のギャップがたまらない。芙美子に対して本気なのか、本気ではないのかがイマイチ読みきれないところがまた視聴者を沼らせるポイントの1つだった。