『恋は闇』最終話で真犯人の正体が明らかに “浩暉”志尊淳に重い判決が下るラスト

 むしろそれならば、第6話で大和田と並んで歩くシーンで、唯月は自転車の左側に立って押しながら歩いている。後輪のスタンドは左側に付いていることが多く、道路事情的にも左側に降りるものとされるため、日常的な自転車乗りとしては左側に立つのが自然な動作ではあるが、左利きの人間であれば押しづらいと感じたことがあるはず。要するに、右利き社会では左利きの人間は幾分か右利きの動作に順応せざるを得ないことが当然であり、手だけでなく腕や体全体を使って人を支える場合にどちらの手を使うかで利き手を断定するのは難しいことだ。よって、唯月は階段の件が決め手になったと語っているが、それ以外のところで大和田が唯月を疑うきっかけがあったと推察できよう。

 閑話休題。いわゆる“解答編”に徹しざるを得ないミステリードラマの最終話で、回想を挿むとはいえ、廃スーパーの薄暗い空間かつ3人の登場人物だけでその大半を運んだ点は評価できる。視聴者の注意関心を引ける会話が繰り広げられ、かつ演じる3者の説得力が伴わなければ退屈なものになりかねなかったからだ。まったく心配無用な“解答編”であったことは言うまでもない。

 しかもその幕切れを、息絶え絶えで思いをさらけ出すという物語としての説得力無視の常套ラブロマンスにあえて徹したことも、なかなかに興味深い。ミステリーとラブロマンスの共存に加え、終盤では報道マンのドラマとしての筋も通し抜くジャンルミックスのバランス感に、共犯者たる浩暉に重い判決が下るラスト。総じて、かなり見応えのあるドラマだったと断言できる。

恋は闇

『あなたの番です』『真犯人フラグ』の制作スタッフが完全オリジナル脚本で描く“究極の恋愛ミステリー”。主人公・浩暉に次々と浮上する疑惑と、彼を愛したヒロイン・万琴の葛藤を通して、「真実を見抜けるか?」を描いてく。

■配信情報
『恋は闇』
TVer、Huluにて配信中
出演:志尊淳、岸井ゆきの、森田望智、白洲迅、齋藤飛鳥、望月歩、小林虎之介、浜野謙太、猫背椿、西田尚美、萩原聖人、田中哲司
脚本:渡邉真子
音楽:末廣健一郎
監督:小室直子、鈴木勇馬
プロデューサー:鈴間広枝、能勢荘志、松山雅則
チーフプロデューサー:道坂忠久
制作協力:トータルメディアコミュニケーション
©日本テレビ
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