『未知のソウル』『ユミの細胞たち』で大注目 “かわいい”だけじゃないパク・ジニョンの魅力

 「誠実」という言葉がここまでしっくりくる人は他にいるだろうか——ドラマ『未知のソウル』でパク・ジニョンが演じるホスは、自分の苦しみを吐き出すことができない双子の同級生ミジとミレ(パク・ボヨン/一人二役)の世界になくてはならない存在だ。

 成績優秀、知勇兼備で名門大学に進学。卒業後は有名事務所で弁護士になるが、上司のやり方と合わずに退職。母親には電話がかかってきた際についでに辞めたことを打ち明けるような、自分のことをあまり表に出さないタイプであり、おかしいことを見て見ぬふりはできない性格だ。過去に交通事故に遭い、同乗していた父親を亡くし、自分は耳と足に障がいが残ったという苦しい過去を抱えている。

 そんなホスは、ミレに扮するミジとソウルで再会し、彼女が半ば強引に任された仕事に関わることになる。そしてその過程で、淡々と「ミジは僕の初恋だ」と語るのだ。それは、何を思っているのかわかりにくいホスの心の内が表れた瞬間だった。

 学生時代、ホスは事故の後遺症で何事も諦めることが多かったが、学校行事で登山に挑戦した過去がある。自分自身、登りきれないだろうと諦めていた中、ミジは彼を信じて頂上で待っていた。そして「生きるのが嫌だ」と弱音を吐くホスにミジが手を差し伸べた、その瞬間が「人生の転換点だった」と言う。登り切れたのはミジのおかげだと、今でも思い出すというのだ。

 一度ではつかみきれないキャラクター性だが、知れば知るほど、もっと知りたいと思わせる魅力があるのがホスだ。第5話でやっとその心の内がわかったと思えば、第6話ではミジたちの入れ替わりについて知っていたけれど、あえて言わなかったことが明らかになる。相手が心を開くまで待つ一方、筋が通らないことが許せない。淡々として見えるが、全てを純粋に受け取り、アドバイスされると素直に実行してしまうかわいさもあるホス。(編み物に夢中になる姿はとても愛おしかった……)仕事を辞めたことをきっかけに、静かに自分の気持ちに向き合うことになった彼が、珍しく感情をむき出しにした第6話のシーンは物語の大きな起点となったと言える。

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