リュディヴィーヌ・サニエ「出演作は“監督で選ぶ”」 フランソワ・オゾンとの再タッグを語る

「出演作は“監督で選ぶ”というスタンス」

ーー久しぶりにオゾン監督と仕事をしてみて、何か変化を感じることはありますか?

サニエ:彼は全然変わっていませんでした。性格もクリエイティブな姿勢もあの頃のまま。少し欠点があるところも含めて変わっていません(笑)。変わったのは私のほうですね。私は19歳の頃に彼に出会って、デビューしたての女優として、彼の作品に3本立て続けに出演しました。あの頃は、自信もなくて、彼に何か言われるとすぐ傷ついていました。でも今は違います。経験を重ねて、自分の演技に自信が持てるようになったので、何も怖くないんです。

ーー演技に対するスタンスも現在は変わってきていますか?

サニエ:はい。5年前に俳優の学校を立ち上げて、パリ郊外で子どもたちに無償で演技の授業を受けてもらえるようにしています。私は直接教えてはいませんが、運営に関わっています。そこでは、自分のキャリアを言語化する必要があります。私は子役出身で、これまでは直感と本能で演じてきました。でもそれを後進に伝えるには、理論として言葉にしなければいけません。その過程で、自分の演技をあらためて見つめ直すことができました。

(左から)リュディヴィーヌ・サニエ、エレーヌ・ヴァンサン、フランソワ・オゾン

ーー自身が出演する作品はどういう基準で選んでいるのでしょうか?

サニエ:昔から一貫しているのですが、出演作は“監督で選ぶ”というスタンスです。女優や俳優の名前よりも、まずは監督。その作品がどんなストーリーを描いているかも大事ですが、私にとっては、“誰がその物語を語るのか”が何よりも大切です。だからこそ、フランソワ・オゾン監督と再び仕事ができたことは、本当に嬉しい出来事でした。

■公開情報
『秋が来るとき』
新宿ピカデリー、TOHOシネマズシャンテほかにて公開中
出演:エレーヌ・ヴァンサン、ジョジアン・バラスコ、リュディヴィーヌ・サニエ、ピエール・ロタン
監督:フランソワ・オゾン
共同脚本:フィリップ・ピアッツォ
配給:ロングライド、マーチ
2024年/フランス/フランス語/103分/ビスタ/カラー/5.1ch/日本語字幕:丸山垂穂/原題:Quand vient l'automne
©2024 – FOZ – FRANCE 2 CINEMA – PLAYTIME
公式サイト:https://longride.jp/lineup/akikuru

関連記事