幸せそうなカップルが追い詰められていく 『入国審査』予告編&場面写真公開

 8月1日に公開されるスペイン発の深層心理サスペンス映画『入国審査』の予告編と場面写真が公開された。

 わずか17日間で撮影された低予算の監督デビュー作ながら、スペイン映画として初めて第39回インディペンデント・スピリット賞3部門(新人作品賞、新人脚本賞、編集賞)にノミネートされた本作。SXSW国際映画祭2023にも正式出品され、タリン・ブラックナイト映画祭新人作品賞をはじめ、世界中の映画祭で最優秀作品賞や観客賞など数々の賞に輝いたサスペンス映画だ。

 舞台はNYの空港。入国審査を待つ幸せなディエゴとエレナのカップルは、移住のビザも取得し、新天地で暮らす準備は万全だったはずが、説明もなく別室に連行され、密室での不可解な尋問が始まる。なぜ二人は止められたのか。審査官は何かを知っているのか。予想外の質問が次々と浴びせられる中、やがてある疑念が二人の間に沸き起こる。

 監督・脚本を手がけたのは、ベネズエラ出身のアレハンドロ・ロハスとフアン・セバスチャン・バスケス。ロハス監督自身が故郷のベネズエラからスペインに移住した際に、実際に体験したことからインスピレーションを受けて本作を生み出したという。

 気弱に見えて得体の知れない影を感じさせるディエゴを演じるのは、『プリズン211』のアルベルト・アンマン。異国の地でパートナーの別の顔を知るという悪夢へと突き落とされるエレナを演じるのは、Netflix映画『その住人たちは』のブルーナ・クッシ。威圧的で底知れない恐ろしさを放つ二人の審査官は、Netflixシリーズ『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』のローラ・ゴメスと、『サン・セバスチャンへ、ようこそ』のベン・テンプルが務めている。

『入国審査』予告編

 公開された予告編のなかで、移住のためにNYに降り立ったディエゴとエレナは入国審査でパスポートを見せるが、なぜか「ご同行を」と別室に連れていかれてしまう。そこに入ってきたのは厳しい表情の審査官。「名前は?」「機内か空港で人から何か預かりましたか?」など矢継ぎ早に質問を受け、思わずパミアスが英語でなくスペイン語で「こんなの嫌がらせだわ」と愚痴ると、審査官から「スペイン語もわかるわよ」「正直に答えなさい」と言われ、威圧的な雰囲気が二人を押しつぶす。そんな中、「グリーンカードに応募したのは初めて?」という質問にパミアスは「はい」と答えるが、ディエゴは「いいえ」と回答。パミアスの表情が曇り、二人の間にさえ、微妙な空気が流れ始める。別々の尋問であぶり出されるそれぞれの言い分。「パートナーを愛している?」「嘘はついてない」などのやり取りを続け取り乱すパミアスと、狼狽するディエゴ。「アメリカに来た理由は?」という問いに果たして二人はどう答えるのか。

 あわせて公開された場面写真では、幸せそうなディエゴとエレナ、それとは対照的なするどい眼光の審査官の姿が切り取られている。さらに入国審査を受ける中、パートナーへの疑念が沸き起こる二人の表情の違いにも注目だ。
 
 なお、ロハス監督とバスケス監督は7月初旬に公式初来日が決定しており、試写会でのティーチインも予定。さらに6月6日からはムビチケ前売券(オンライン)も発売開始となる。

■公開情報
『入国審査』
8月1日(金)より、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋ほかにて公開
出演:ルベルト・アンマン、ブルーナ・クッシ
監督・脚本:アレハンドロ・ロハス、フアン・セバスチャン・バスケス
配給:松竹
後援:在日スペイン大使館、インスティトゥト・セルバンデス東京
2023年/スペイン/スペイン語、英語、カタルーニャ語/77分/ビスタ/カラー/5.1ch/原題:Upon Entry/日本語字幕:杉田洋子
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