『恋は闇』犯人は“設楽浩暉”志尊淳で確定か? 終幕前に付きまとう不穏な空気
浩暉(志尊淳)をテレビ局へと招き、独占インタビューを行う万琴(岸井ゆきの)。顔出しNGを条件に、どんな質問にも答えるという浩暉だったが、万琴はみくる(齋藤飛鳥)についての質問だけはできない。それでも10年前の母・久美子(紺野まひる)の事件や父・貫路(萩原聖人)について質問をぶつけ、一連の“ホルスの目殺人事件”について核心に触れる。「あなたが殺したんじゃないですか?」と。すると浩暉ははっきりと、「違います」と答えるのだ。
記者同士として、そして恋人同士として向き合ってきた2人が、記者と取材対象者という異なる立場で初めて向き合うことになるシーンから始まった、6月4日放送の『恋は闇』(日本テレビ系)は第8話。刻一刻と6月6日――次なる“ホルスの目”の犯行の日が迫るなか、万琴の取材によって世間の疑いの目は浩暉に向けられることとなり、万琴は特集班から外されてしまう。そこで浩暉は、以前から約束していた万琴の地元への旅行に彼女を誘うのである。
おそらく終幕に訪れるであろう波乱の展開の前の、最後の息抜きになると思しき万琴と浩暉の旅行シーン。ここでようやく、これまで何度か浩暉の回想に登場してきた、寺の境内で桜の花びらを掴もうとする少女が幼少期の万琴であったことが明示される。第3話の食事シーンで浩暉はそれが万琴であったことを確信しているが、万琴のほうからそれについて語られることはなかった。しかし今回、その寺を訪れたタイミングで万琴は「女の子を助けた」記憶を話す。もちろんその女の子とは、みくるのことだ。
つまりは前回浩暉が語っていた、みくるが妹(厳密に言えば、幼い頃から一緒に暮らしてきた、母親の異なる妹、ということになるが)という話が本当であることが、万琴の記憶をもって証明されたことになる。いかんせん何を言っても嘘っぽさがつきまとう浩暉の話だけに、このような裏打ちは必要といえよう。もちろんこれは、恋愛ドラマとしての側面で見ても、両者の運命的な間柄(第1話で2人は同じように桜の木の下でめぐり逢っているのだから)を示すものともいえる。
さて、そんな息抜きが用意されながらも、エピソード全体を通してはひたすら不穏な空気が付きまとい続ける。あるアパートの前で対峙する野田(田中哲司)と浩暉。その後のシーンでは同じアパートの一室で浩暉とみくる、貫路の3人が揃い、貫路は「2人のためならなんでもやる」と話す。大和田(猫背椿)を殺した犯人を見つけだそうと躍起になっている唯月(望月歩)。万琴に近付かないでと浩暉に直談判する向葵(森田望智)に対して、耳元でなにかを囁いた浩暉。正聖(白洲迅)が貫路に気を取られている隙に家を抜け出すみくる。