フローレンス・ピュー、『We Live in Time』への想いを語る 「与えられている時間を大切に」
6月6日に全国公開される『We Live in Time この時を生きて』で主演を務めるフローレンス・ピューのインタビュー映像が公開された。
本作は、『ミッドサマー』『サンダーボルツ*』のフローレンス・ピューと、『アメイジング・スパイダーマン』『ソーシャル・ネットワーク』のアンドリュー・ガーフィールドが主演を務めたラブストーリー。『ブルックリン』で第88回アカデミー賞作品賞にノミネートされたジョン・クローリーが監督を務めた。
物語の主人公は、新進気鋭の一流シェフ・アルムート(フローレンス・ピュー)と、離婚して失意のどん底にいたトビアス(アンドリュー・ガーフィールド)。何の接点もなく、自由奔放なアルムートと、慎重派のトビアスという正反対の性格を持つ2人が、運命的に出会い、恋に落ちる。幾度も試練を迎えながらも、やがて共に暮らし始め、娘が生まれ、家族としての絆を深めていく。そんな中、アルムートの余命がわずかであることがわかり、共に生きるトビアスに驚きの決意を告げる。
公開されたインタビュー映像では、同じくアカデミー賞ノミネート経験のあるガーフィールドとの共演裏話や、劇中でも印象的な“頭を剃るシーン”への想いを熱く語っている。インタビューでまず話題となったのは、初共演となったガーフィールドについて。ピューは撮影を振り返り、「他作で見せていた彼の演技に納得がいったわ」と語り、「彼はとてもプロフェッショナルなの。細部にまでこだわる姿勢で仕事に取り組み、一瞬一瞬を完璧に演じていく。アンドリューとの共演には学びがあり、とても素敵な経験だった」と敬意を表した。さらに、「作品への向き合い方や、理想の演技への模索を体得することができた。努力を惜しまず、演技力や人間性を高め、より自身の仕事に責任を持ちたい」と、本作での共演で得た刺激と自身の成長を明かしている。
続いて話題となったのは、頭を剃るシーン。アルムートが断髪する日を、家族の楽しい思い出に変えてしまうという、大きな幸福感に溢れた本作の中でも重要なシーンのひとつだ。ピューは、「初めて脚本に書かれていたそのシーンを読んだとき、美しく、幸福感や生命感に満ちた場面だと感じた。映画のメッセージが深く理解できた。頭を剃ることについての彼女の決断や、前向きな1日としての捉え方が素敵だと思った」と脚本を読んだときの感動を語っている。
この断髪シーンは、パートナーのトビアスと娘に囲まれながら頭を剃る様子が、爽やかに、そして感動的に描かれている。ピューは、「心を打たれたのは、その出来事が娘にとってよい記憶になるように望んだことね。演じる機会を得られ、とても光栄に思った。あれは間違いなく印象的なシーンの1つだもの。人の持つ計り知れない勇気がこれまでとは違う形で描かれてる」と語り、その意義の深さを称賛した。
また、ワンテイクで撮影され、実際の瞬間の美しさと勇気がリアルに映し出されたこのシーンの撮影について、「出演が決まった後、ジョン・クローリー監督からの電話でそのシーンについて相談を受けた。彼は“無理にとは言わない。ボールドキャップ(スキンヘッド用のカツラ)を使っても構わない”と。“出演を決めた限りはちゃんと剃る”と答えたわ」と裏話を明かし、さらに「このような役柄では、頭を剃る行為も演技の内だもの。重病の役を演じるには、説得力のある演技が問われる。剃る行為を省くなんてありえなかった」と強い覚悟を語った。
最後に、本作を通して伝えたいことを問われたピューは、「今、与えられている時間を大切に過ごしてほしい」と力強くコメント。さらに、「試写会に来てくれた友人は、上映後に号泣していて、私のほうを見られなかった。それから、私の手をきつく握ったの。友人は“生きる意欲が湧いてきた”と言った。“恋をしたくなったし、先延ばしにしていたことすべてに挑戦したい。とにかく生きたい”と」と、驚きのエピソードを披露。「彼女の言葉を聞いて、見事なまとめ方だと思った。ともに愛し合い、生きたいと感じてくれたらうれしい。必要なことよ」と語るその言葉に、ピュー自身の本作に込めた強い想いが滲み出ている。
■公開情報
『We Live in Time この時を生きて』
6月6日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
出演:フローレンス・ピュー、アンドリュー・ガーフィールド
監督:ジョン・クローリー
配給:キノフィルムズ
提供:木下グループ
2024年/フランス・イギリス/英語/108分/カラー/スコープ/5.1ch/字幕翻訳:岩辺いずみ/G
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