『イグナイト』“高井戸”三山凌輝の過去と裏切りの真相が明らかに “真の敵”も登場

 週刊誌に掲載された、ピース法律事務所の悪評と、第2話で宇崎(間宮祥太朗)がクラブで大暴れした際の写真。そのせいで訴訟を取り下げる依頼人が続出し、娘がパワハラを受けて自殺した件で湊市の市長・音部(髙嶋政伸)を訴えようとしていた松原(瀬下尚人)も、(仲村トオル)に苦言を呈すことに。「とにかく事実が知りたい」と話す松原に対して「お任せください」と宣言する轟だったが、事務所には懲戒請求書が届いており、弁護士資格を失う危機にまで瀕することとなるのだ。

 5月23日に放送された『イグナイト -法の無法者-』(TBS系)は第6話。まだ後半戦の幕開けとなるエピソードにもかかわらず、はやくも5年前のバス事故(宇崎の父が運転し、轟の娘が命を落とす。轟たちはその事故の裏に警察と行政が手を組んだ闇がひそんでいるとにらんでいる)への関与が疑われる音部との直接対決の時がやってくる。ドラマの佳境に選ばれるものだと思われていた展開を早々にやってしまうという点は意外であったが、ラストで本当の敵は音部ではなく、さらに“上”がいるからだと明らかにされたことで腑に落ちる。

 先述した週刊誌記事による信頼の下落と轟の懲戒請求に加え、今回ピース法律事務所には主戦力である高井戸(三山凌輝)の突然の離脱という思わぬ災難が降りかかる。スリースター法律事務所の千賀(田中直樹)に引き抜かれ、パワハラ訴訟において音部側の代理人として宇崎たちと対峙することになる高井戸。もちろん週刊誌の記事も懲戒請求も千賀が仕掛けたものであり、“作れる事実は作れる”というモットーのもと、彼らはパワハラ被害者側を叩く方向へと世論を焚き付ける記事も作り上げるのである。

 ここで挿入される回想シーンで思い出すのは第4話、大手ハウスメーカーに圧をかけられた町工場を救うべく躍起になっていた高井戸の姿である。その際に少しだけ描かれた彼の幼少期のバックグラウンドが物語のカギとなる。裁判自体は、秘書の小谷(酒井若菜)の証言によって音部のセクハラと内部告発の隠滅が語られることで、原告側有利へと一気に形成逆転。大敗が確実となった千賀に対して高井戸は、自身が彼の十八番である証拠の捏造によって破産に追い込まれた町工場の社長の息子であることを告白する。高井戸自身はこれを「けじめ」だと語るが、いわば高井戸は千賀に対して父親の仇を討った格好になる。

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