『恋は闇』志尊淳に立ち続ける犯人フラグ 向葵の同僚が話した設楽に関する意味深なワード

 住宅街をひとりで駆け回る少年が、神社の境内で同じぐらいの背格好の少女と会い、「持っているといいことあるよ」と桜の花びらを3枚手渡される。おそらくこの少年が、後の設楽(志尊淳)であり、前回描かれた飲食店でのシーンの会話の内容と設楽の反応を踏まえると、この少女が万琴(岸井ゆきの)であると考えられる。

 現代パートに移り、休みの日に旅行をしようと話す設楽と万琴。万琴が自分の地元はどうかと提案し、設楽は快諾する。この2人の“運命”を想起させる過去に関しては、今回はそれ以上踏み込まれない。とはいえ、少年時代の設楽はなぜあの場所で彷徨っていたのか、おそらくあの少女であると思しき万琴にはその時の記憶はないのか、あるいは別の誰かなのかなど、一連の回想をめぐる謎は後々紐解かれていくことだろう。

 5月7日に放送された『恋は闇』(日本テレビ系)の第4話は、5月5日――すなわち、ゾロ目の日に起こる“ホルスの目殺人事件”の5件目の犯行がおこなわれると推測される日のできごとを中心に展開していく。その犯行現場として導きだされた牛込柳町で入手した、怪しい男が映った動画。その男が設楽の父・貫路(萩原聖人)であると気付いた野田(田中哲司)は、万琴に設楽の母親の事件のことを話す。それを知った万琴は、「忘れられたら事件は終わる」や「埋もれる」といった、これまで設楽が口にしてきた言葉の意味を理解するのである。

 はたしてそれが、本当に純然とした犯罪被害者遺族としての言葉だったのかは未だ闇のなかである。例によって今回も、設楽=“ホルスの目”の犯人であると示すようなフラグが、貫路という怪しげな人物の登場を経ても続いていく。5月5日の夜に、黒いレインコートを着て歩く設楽と思しき人物。同様の出立ちの人物が取材中の万琴に襲いかかり、履いているスニーカーはやはり、設楽と同じもの。万琴もそれに気が付くが、見て見ぬふりをする。そして直前のアリバイがない設楽は、現場近くのコインロッカーから黒いレインコートと血の付いた黒い手袋といった証拠品を回収する。

 この一連からは、どう考えても設楽が真っ黒なのはいうまでもない。仮説として、最初に追いかけてきた人物と、一度身を隠した万琴に襲いかかった人物が別の人物であるという可能性もないわけではない。その場合、万琴の傷口から他の人物のDNAが検出された=襲撃に使われたナイフがすでに犯行に使用されていることから、前者が設楽でなければ結局黒のまま。ナイフを見せて追いかけたのも、真犯人が近くにいるのをわかった上で万琴を遠ざけるねらいがあった、という以外(仮にそうであっても)合理的な理由は見出せない。あくまでもこれは、設楽が黒ではない場合の希望的憶測に過ぎないわけだが、それでも万琴の傷を見て狼狽する姿は、母親の事件のトラウマのようなものがあると感じさせる反応であった。

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