“嵩”北村匠海は学校合格、“のぶ”今田美桜は軍国主義に洗脳 『あんぱん』第5週で分けた明暗
嵩(北村匠海)が、東京高等芸術学校に見事合格した。「サクラチル」の末の、「サクラサク」。朝ドラ『あんぱん』(NHK総合)では、例えばパン食い競争のレース結果やのぶ(今田美桜)の女子師範学校への合格など、回をまたがないことが“朝ドラ受け”でも度々話題になっているが、今回は珍しく林田理沙アナウンサーの「結果は明日」というナレーションを経ての、第5週ラストの回となった。
「人生は喜ばせごっこ」という週タイトルが示すように、印象的なのは嵩以上に柳井家やのぶ、草吉(阿部サダヲ)たちが嵩の合格を喜ぶ姿。寛(竹野内豊)は自身が嵩や千尋(中沢元紀)に問い続けている「何のために生まれて、何のために生きるのか」のひとつの答えとして、「人を喜ばせること」だと話す。
「人生は喜ばせごっこや」と。現在、熊本市現代美術館で開催中の展覧会『やなせたかし展』のサブタイトルとして「人生はよろこばせごっこ」が付いていることからも分かるように、やなせたかしにとっての大事なポリシーであり、やなせを代表する名言でもある。
そして、嵩は母・登美子(松嶋菜々子)をも喜ばせていた。1年前、柳井家を出て行った登美子。寛と抱き合う嵩の姿を見て、登美子は微笑みそっと立ち去っていく。場所は東京。首元に毛皮がついた身なりは、以前よりも派手な印象を受ける。何をしているのかは想像の域を出ないが、登美子が持っていた手紙はきっと嵩からのものだということは分かる。短いシーンながら、松嶋菜々子の芝居から伝わるのは登美子の母としての愛情だ。