罪を犯した男と1匹の犬の絆を描く 中国映画『ブラックドッグ』9月19日公開決定

 第77回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門にて最優秀作品賞受賞となった映画『BLACK DOG』(英題)が『ブラックドッグ』の邦題で9月19日に日本公開されることが決定した。

 本作は、罪を犯した男と1匹の犬の孤独な魂の邂逅と再生を、ブルーグレイの映像美で描きだすヒューマンドラマ。第72回ヴェネチア国際映画祭クロージング作品となった『ロクさん』や日中戦争を描き2020年の公開映画興行収入世界一となった『エイト・ハンドレッドー戦場の英雄たちー』などを手がけたグァン・フーが監督を務めた。

 第69回バリャドリッド国際映画祭で監督賞と撮影賞をW受賞した本作は、世界中で10以上 の賞を受賞。さらには、2025年インディペンデント・スピリット賞外国映画賞や2024年ゴッ サム賞監督賞にノミネートされ、第37回東京国際映画祭ではガラ・セレクション含む、15 以上の映画祭に出品された。5月4日から開催される第3回横浜国際映画祭ではオープニング上映されることも決定している。

 2008年、北京オリンピック開催間際の中国。誤って人を殺めてしまった青年ラン(エディ・ポン)は刑期を終え、ゴビ砂漠の端にあるさびれた故郷に帰ってくる。人の流出が止まらず廃墟が目立つ街には、捨てられた犬たちが野犬化し、群れとなっていた。ランを気にかける警官から地元のパトロール隊に誘われたランはある日、群れには入らず一匹で行動する黒い犬と出会う。頭が良く人に決して捕まらないその犬とランの間には、いつしか奇妙な絆が育まれていくのだった。

 主演は『疾風スプリンター』『オペレーション・メコン』などのエディ・ポン。これまでの役柄と違った寡黙で孤独の影が滲むランを時にユーモラスに演じている。また、ランに生命力をもたらす雑技団員のグレープ役でトン・リーヤーのほか、『長江哀歌』『帰れない二人』などで知られる映画監督のジャ・ジャンクーも重要な役どころで出演している。さらに、ランと絆がはぐぐまれていく犬は、カンヌ国際映画祭で優秀な演技を見せた犬に贈られるパルム・ドッグ賞の「審査員賞」を受賞している。

 公開されたティザーポスターでは、遠くまで広がるゴビ砂漠の壮大な風景、灰色の雲が覆う山々が印象的に映し出される中、古びたオートバイにまたがるランとサイドカーから顔をだす黒い犬がランを見上げる姿が切り取られている。

■公開情報
『ブラックドッグ』
9月19日(金)シネマカリテほか全国公開
出演:エディ・ポン、トン・リーヤー、ジャ・ジャンクー
監督:グァン・フー
配給:クロックワークス
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