バーチャルシンガー・花譜が語る、ファレル・ウィリアムスの魅力 「唯一無二の存在」
『ピース・バイ・ピース』というタイトルに込められたメッセージ
ーー映画を鑑賞した後に思ったことはありますか?
花譜:物語の終盤、現在のファレルが最近は深掘りすることをよくしている、人間を含めてこの世にあるものはすべて分子から成っていて、そこからすべてが生まれるんだ、みたいな話をしていたと思うんですけど、それってファレルの物語をレゴですべて作るという映画のテーマと直結しているんだなって思いました。『ピース・バイ・ピース』というタイトルに込められたメッセージというか。人生も音楽もひとつひとつのピースを自分で組み上げてきた、そしてそれはこれからもずっと続いていく、ということがファレルが伝えたかったメッセージなのかなって思いました。最初は「なぜレゴで?」と思ったんですけど、最後まで観てその意味を理解できました。
ーーひとつひとつピースを積み上げてきたファレルの人生観とレゴが結びつく展開はすごくカタルシスがありましたね。劇中ではファレルが手がけてきたヒットナンバーが流れるわけですが、花譜さんは印象に残っている楽曲はありますか?
花譜:ピースを組み上げる、という話にもつながるのですが、ファレルの人生と音楽がすごく強く結びついているということを改めて感じたんです。例えば、ファレルがすべてをなくしてしまったタイミングでN.E.R.D.の「Sooner or Later」が流れてきて、「全部いつか台無しになるんだ、終わりが来る」という歌ですよね。その時のファレルの心情や状況と重なり合っていて特に印象的でした。あとは、Daft Punkとの「Get Lucky」とか、スヌープ・ドッグとの「Drop It Like It’s Hot」もすごく好きでしたね。全然音楽と関係ないですが、スヌープ・ドッグと彼の取り巻きたちだけレゴの足の長さが2倍になっていて、そこもすごくおもしろかったです、すごい背が高かったんだなって(笑)。
ーースヌープ・ドッグの物理的な大きさが強調されてましたね(笑)。ファレルの人生と音楽がリンクしていて、曲への解像度がグッと上がりますよね。
花譜:そうですね。曲は知っているけど、ファレルがどんな人かは知らなかったので、ファレルの人生のどんな時にどんな気持ちでこの曲が作られたのか、その人の歴史と一緒に音楽が流れることで曲の説得力が増したり、より没頭して聴けるということを強く感じました。映画の内容と音楽がぴったりとつながっているので、ファレルの音楽をこれまで聴いてきた人も、これから聴く人にとっても、すごく良い映画になっていると思います。劇中で流れるのがかっこいい曲ばかりで、新鮮な気持ちでファレルの音楽と人生に触れることができました。
Licaxxxが分析「ファレルの人生をレゴ®アニメで表現できた理由」 音楽好き注目ポイントも
音楽プロデューサーにして、ルイ・ヴィトンのメンズ・クリエイティブ・ディレクターなどを務め、ジャンルを問わず現代のカルチャーを牽引…■公開情報
『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』
TOHOシネマズ 日比谷ほかにて公開中
出演:ファレル・ウィリアムス、スヌープ・ドッグ、ケンドリック・ラマー、ティンバランド、ジャスティン・ティンバーレイク、バスタ・ライムス、ジェイ・Z、プシャ T、N.O.R.E.、ダフト・パンク、グウェン・ステファニーほか
監督・脚本・編集:モーガン・ネヴィル
配給:パルコ、ユニバーサル映画
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公式サイト:https://pharrell-piecebypiece.jp
公式X(旧Twitter):@Pharrell_Movie