『クジャクのダンス』心麦と春生が最後に交わした“感謝の言葉” 原作への敬意示す結末に
『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系)が3月28日に最終回を迎えた。
思い出すのは、ドラマのスタート前に放送された『見どころ大公開SP』の中での、広瀬すずとリリー・フランキーの対談。映画『海街ダイアリー』をはじめ、朝ドラ『なつぞら』(NHK総合)などで共演してきた2人はプライベートでも親交がある、大の仲良し。リリーが広瀬に俳優としてのリスペクトを抱いているのも印象的だった。しかし、2人の親子としての共演は第1話冒頭のワンシーンのみ。「史上最速で死ぬ」とリリーは自虐的に笑みを浮かべながら話していたが、こんな感動的なラストに繋がっていくなんて誰が予想できただろうか。
真犯人が赤沢の妻・京子(西田尚美)であり、共犯が鳴川(間宮啓行)であることが明らかになった第9回。最終回の物語の焦点となるのは、林川歌=心麦(広瀬すず)を残して林川家が惨殺された東賀山事件の全貌、そしてなぜ春生(リリー・フランキー)は殺されたのかである。
春生は東賀山事件の真実を掴んでいた。安成(野間口徹)と京子の関係性、遠藤力郎(酒向芳)が冤罪であるということ。そのことが明るみになれば、刑事である夫(藤本隆宏)だけでなく、息子の守(野村康太)の人生もめちゃくちゃになってしまう――恐れた京子は、春生を睡眠薬で眠らせ、家に火を点けた。遠藤友哉(成田凌)を現場近くに呼び出し、捜査の目が彼にいくように仕向けていた。
春生は力郎を冤罪にしてしまったことを酷く悔やんでいた。だからこそ、心麦に嘘をつくのはやめて、誇らしい父親でありたいと思い続けていた。亡くなる直前まで。赤沢を通じて心麦に渡されるのは、京子が隠し持っていた春生のスマホ。そこには事件が起こる前のクリスマスの日に、春生が自ら撮影していた動画が保存されていた。春生がクリスマスプレゼントとして心麦に贈ろうとしていたのは感謝の言葉。春生が撮影していた場所は、心麦が今いる川沿いの道のベンチの隣同士。