Mrs. GREEN APPLE 大森元貴が『あんぱん』で朝ドラデビュー 音楽業界関係者はどう見る?

 「リアルサウンド」の編集長・久蔵千恵は、大森の『あんぱん』出演について「大森さんがバンドを始める前、幼少期の頃から演技を学ばれていたことは有名な話です。2025年はすでに菊池風磨さんとW主演の映画『#真相をお話しします』に出演することが発表されていたので、朝ドラ出演は驚きつつも納得感がありました」と感想を述べつつ、「Mrs. GREEN APPLEは2024年の1年間でCD、音楽ビデオ、有料音楽配信などの売上金額が最も多かったアーティストに贈られる日本ゴールドディスク大賞“アーティスト・オブ・ザ・イヤー”邦楽部門を初受賞するなど、間違いなく今の音楽シーンを代表するバンドです。国民的ドラマ枠の朝ドラへの国民的バンドのボーカル起用というのは話題性という意味でもうってつけではないでしょうか」とコメント。

 そもそも、Mrs. GREEN APPLEとは現代においてどのような存在なのか。久蔵編集長は「2015年のメジャーデビュー当時、大森さんは18歳。活動当初から同世代を中心に絶大な支持を獲得。楽曲制作も手がける大森さんは10代にして優れたポップセンスを備えた逸材として業界内でも注目されていました。バンドとしても順調に活動の規模を拡大するなか、2020年に突如“フェーズ1完結”として、バンドは活動休止に。その間に大森さんが取り組んでいたのがソロ活動です。ミュージックビデオなどでは華麗なダンスを披露するなど、バンドのフロントマンとは異なる“表現者”としての魅力を発揮し始めました。そして、3人体制で復活を遂げた2022年の“フェーズ2”以降、大胆なビジュアルのイメージチェンジを含め、多彩な表現にチャレンジするようになりました。そんな最中、2023年に初出場した『NHK紅白歌合戦』で披露した華やかな『ダンスホール』のパフォーマンスで世間的にも“見つかった”という印象です。楽曲人気が先行しがちなストリーミング時代にアーティストとしての魅力を絶好のタイミングでマスにアピールすることができたのは大きかったと思います。その後、2024年に『ライラック』『familie』といった新曲をしっかりヒットさせ、過去曲も含めてチャートを埋め尽くすという流れを作れたのはさすがだと思います」と説明する。

 そんなバンドのフロントマンを務める大森については「ソロ活動で頭角を現して以降、カリスマ性・スター性は磨きがかる一方です。また、近年はバラエティ番組への出演も積極的に行うなど、親しみやすいキャラクターでも人気を獲得しているように思います。お茶の間にも進出することができたバンドのフロントマンという意味でも極めて稀有な存在といえるのではないでしょうか」と評する久蔵編集長。“俳優”としての活躍についても「2023年12月から2024年3月にかけて開催した『Mrs. GREEN APPLE 2023-2024 FC TOUR “The White Lounge”』では、ミュージカル的な演出を取り入れたライブを行ったことも話題になりました。“演じる”ということは、大森さんのバンド活動においても欠かせない表現の一つになっているように思います。『#真相をお話しします』は未見ですが、映画館での短い予告編でもオーラを放っていましたよね。すでに観た方々の評判も上々で、大森さんの演技を評価する声も届いています。ご自身に意欲があるのであれば、活躍は大いに期待できると思います」と語った。

『#真相をお話しします』予告

 音楽という表現活動においてすでに存在感を発揮する大森が、朝ドラでどのような芝居をみせてくれるのか。注目したい。

■放送情報
2025年度前期 NHK連続テレビ小説『あんぱん』
NHK総合にて、3月31日(月)スタート 全26週(130回)
出演:今田美桜、北村匠海、加瀬亮、江口のりこ、河合優実、原菜乃華、細田佳央太、高橋文哉、中沢元紀、大森元貴、二宮和也、戸田菜穂、浅田美代子、吉田鋼太郎、竹野内豊、阿部サダヲ、妻夫木聡、松嶋菜々子ほか
作:中園ミホ
音楽:井筒昭雄
主題歌:RADWIMPS「賜物」
語り:林田理沙アナウンサー
制作統括:倉崎憲
プロデューサー:中村周祐、舩田遼介、川口俊介
演出:柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、佐原裕貴、尾崎達哉
写真提供=NHK

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