『おむすび』制作陣が惚れ込んだ田畑志真の魅力とは? 菜摘とシンクロした芝居の成長
NHK連続テレビ小説『おむすび』が現在放送中。平成元年生まれの主人公・米田結(橋本環奈)が、どんなときでも自分らしさを大切にする“ギャル魂”を胸に、栄養士として人の心と未来を結んでいく“平成青春グラフィティ”。
第22週では、大手コンビニ会社に勤める幼なじみ・菜摘(田畑志真)からの悩み相談をきっかけに、結が高齢者向けの弁当作りに奮闘。これまでの“対患者”とは異なる、不特定多数のユーザーに向けた栄養支援を目指すことになる。
制作統括の宇佐川隆史は「実際に私立病院で弁当の開発が行われており、取材等々を基に派生して膨らませたエピソードです」と物語の背景を説明し、「今までとは違う制限がある中で、結が弁当開発を通して管理栄養士として何を伝えていくのか。また、菜摘の社会人としてのジレンマも、非常に共感を得ると思っています」と手ごたえを語る。
劇中では、菜摘が商品開発部所属でありながら、コストや作業効率、見た目の大切さといった初歩的な点に考えが及ばず、一時は企画が頓挫。「事前に気づかないものなのか?」と疑問に思う視聴者もいるかもしれないが、制作統括の真鍋斎はNHK局内の試写会でも同様の声が上がったことを明かし、こう続けた。
「後出しではいくらでも言えますが、言われてみれば当たり前のことに気付かないことも現実にはあります。特に若い時には。すなわち“知悉(ちしつ)してはいない”ということですよね。その中で、まったく違う視点からの発想に、彼女たち自身の目線で気がついていく。それをきちんと受けて吸収していく、という姿を描きたいと。登場人物にはそういう人になってほしいという思いがありますので、そのあたりを大事に脚本を作っていきました」(真鍋)
菜摘を演じる田畑志真は、配役を特定せずに行ったオーディションによって抜擢。宇佐川は「田畑さんご本人も天真爛漫な、素敵な方なんですよ。それが、ちゃんと芝居の中でも生かせると思っていました。登場したときには、『合コンが好き』で、ギャルのことも『いいじゃん』とそのまま受け入れるような女の子でしたが、そんな菜摘のカラッとした感じが田畑さんと合っていて。『もっとこの子を観たい』という思いが、この第22週にも繋がってきていると思います」と、役柄との一体感に太鼓判を押す。
真鍋も田畑が持つ“素朴さ”に惹かれたといい、「当然、演技力を重視するオーディションもあるとは思いますが、私の中ではそれだけではないということも多いですね。」とキャスティングへの思いを明かした。