『おむすび』宮崎莉里沙にも期待 新井美羽、稲垣来泉、毎田暖乃ら“朝ドラ”子役の飛躍

 高校生、ギャル、栄養士として平成・令和の時代を生き抜いてきた米田結(橋本環奈)の人生を描くNHK連続テレビ小説『おむすび』。放送終了までの残り1カ月を切り、第22週「理想と現実って何なん?」では、サッカーの練習に日夜励む結の娘・花(宮崎莉里沙)との親子関係にも焦点が当たるようだ。

 『おむすび』第18週で小学生の花を演じる宮崎莉里沙を見て、『ばらかもん』(2023年/フジテレビ系)のなる役だった彼女の成長に驚いた人も多いのではないだろうか。『ばらかもん』で宮崎が演じたなるは、五島列島に暮らす小学1年生。暴力事件を起こしてしまったことをきっかけに、五島列島にやってきた主人公・半田清舟(杉野遥亮)に誰よりも懐き、2人は奇妙な絆を結んでいく。『ばらかもん』という作品において、なるという存在の島で生きる子どもとしてのリアリティはとても重要だ。宮崎は、半田の心を解きほぐす天真爛漫さ、後半に明かされる自身の父親へ抱える複雑な感情を見事に演じてみせた。

 『ばらかもん』では、はねた毛先とトレードマークのサイドポニーを揺らす姿が愛らしかった宮崎だが、『おむすび』では、花の役柄に合わせてバッサリとショートボブにチェンジ。花は、髪型も相まって、少し大人びた印象を与える役柄だ。第21週までは、ここぞという時の花の素直な物言いが、大人たちの心を支えるようなシーンもあった。第22週では、花が熱中するサッカーに関する葛藤が描かれる様子。結の母親としての葛藤や成長、花と同じく幼少期をスポーツ一筋で過ごしてきた翔也(佐野勇斗)との関係も見どころになるだろう。

 子役のなかには、複数の朝ドラに出演している子も少なくない。例えば、新井美羽は2014年度前期『花子とアン』で朝ドラデビューし、2017年度後期『わろてんか』ではヒロイン・藤岡てん(葵わかな)の幼少期を担当。新井は、その後さまざまな映画やドラマへの出演を果たし、2022年度前期『ちむどんどん』にも登場。ヒロインの子役が、成長した姿でカムバックを果たす姿を見れるのも、朝ドラを通して子役を見守る醍醐味だろう。新井は、現在放送中の『まどか26歳、研修医やってます!』(TBS系)第7話で、リストカットをして病院に運ばれたボーダーラインパーソナリティ症の患者・坂本裕乃を演じ、制御しきれない怒りとまどか(芳根京子)への許しを通した変化を丁寧に表現した。

 ヒロインの子役を演じた後に、カムバックといえば外せないのは、毎田暖乃。2019年度後期『スカーレット』で、熊谷照子(大島優子)の娘・雪子で子役デビューを果たし、2020年度後期『おちょやん』では、ヒロイン・千代(杉咲花)の幼少期とヒロインの姪で養女となる春子を演じた。2022年には『妻、小学生になる。』(TBS系)で、10年前に亡くなった新島貴恵(石田ゆり子)が憑依した状態と小学生・万理華の状態を見事に演じ分けた。そして、2024年度前期『虎に翼』で、ヒロイン・寅子(伊藤沙莉)の娘・優未の10代キャストとして朝ドラにカムバック。優未の大人びた内面と家庭環境への不満が噴出したときの寅子を思わせる豪快さをバランス良く演じてみせた。若干13歳にして、抜群の安定感を見せる俳優へと成長している。彼女が演技の道に進むきっかけになったのは、2019年度前期『なつぞら』のヒロイン・奥原なつ役を演じた広瀬すずの存在だという。いつか毎田がヒロインを務める姿を見たいと願わずにいられない。

関連記事