『秘密』一人二役の中島裕翔が後輩“青木”を完コピ 現実と狂気の狭間でもたらす希望
2月10日放送の『秘密~THE TOP SECRET~』(カンテレ・フジテレビ系)第3話は実質的な第1話だった(※本記事には本編の内容が含まれます)。
鈴木(中島裕翔)の死から3年、第九に新人が配属される。彼の名は青木一行(中島裕翔)。青木に会った瞬間、薪(板垣李光人)の表情がこわばる。「第九には合わないんじゃないかな」が最初にかけた言葉だった。
運命の再会と言うと誤解を招きそうだが、私たち視聴者はすでにその顔を知っている。27歳の青木は鈴木とうり二つだった。『秘密』第3話は原作だと第1巻にあたる。時系列に手が加えられており、連続ドラマ第1話、第2話は過去のエピソードで、第3話から作品中の“現在”になる。
着任早々、青木が扱うのは同日に起きた9人の少年の自殺。彼らの共通項は、同じ期間に同じ少年院にいたこと。少年たちの脳から、自殺した日に幻覚を見ていたことが判明する。それはかつて自分たちがいじめで死なせた少年だった。少年たちがなぜ同日に同じ幻覚を見ていたのか。その謎は、さらに脳をスキャンすることで明らかになった。
第3話は青木のキャラクター紹介を兼ねていた。鈴木の印象が強かったので、どんな青木になるか不安もあったが、まったくの杞憂だった。一人二役の中島裕翔は、中分けで固めた髪の質感や薪役の板垣李光人との身長差も含めて、青木そのもの。中島の完コピは徹底していて、二次元から抜け出てきたようである。
第1話ラストで自らの頸動脈をかき切って自殺した貝沼(國村隼)は、第3話でも影響を及ぼした。第3話「でも」と言うのは、第2話で鈴木が狂気に駆られたのは、貝沼の脳を見たことが原因だったからだ。自殺した9人の少年は少年院で貝沼に会っていた。貝沼は彼らに催眠をかけ、彗星を見ると幻覚が引き起こされるトリガーを埋め込んだ。