『薬屋のひとりごと』猫猫と子翠の“共通点” 瀬戸麻沙美が担う重要なポジションを解説

 TVアニメ『薬屋のひとりごと』には、なんと総勢80人以上のキャストが出演している。近頃のアニメで、ここまで登場人物が多いものも珍しい。本作の舞台となる後宮は、皇帝を頂点とした巨大な階級社会。メインキャラクターの毒見役・猫猫を中心に、後宮に生きる様々な人物たちが思惑を巡らせ、時に切羽詰まった駆け引きを見せたり、切ない人間模様を垣間見せていく。後宮には宦官や侍女、妃たちなど、数多くの人物が暮らしており、彼らを演じる声優陣の豪華な共演は、アニメならではの魅力となっている。

 第2クールに突入した本作で、早くも注目を集めているのが第25話「猫猫と毛毛」で初登場を果たした新キャラクター・子翠だ。その声を担当するのは瀬戸麻沙美だが、SNSでは「何回聞いても瀬戸さんだって信じられない」「普段クールビューティキャラが多いから新鮮」という声が続々と上がっている。

 確かに瀬戸といえば、最近では『怪獣8号』の亜白ミナ役、『呪術廻戦』の釘崎野薔薇役、『盾の勇者の成り上がり』のラフタリア役など、クールなキャラクターやお姉さんキャラを演じることが多く、そのイメージからも気づかなかったという感想が寄せられているのも納得いく。声優に限らず言えることではあるが、様々なタイプの役を演じられると言うことはそれだけの演技力の高さがあることの裏付けでもあるといえよう。

 第1期では高貴な妃たちとそれを取り巻く人々を中心に登場キャラが増えていったこともあり、どちらかといえば猫猫の“友人ポジション”にあたる子翠の登場に、視聴者の期待も高まっている。

 子翠は、後宮に迷い込んだ子猫を捕まえようとした時に突然現れ、さっと猫を捕まえて差し出した女官だ。一見すると、後宮を渡り歩きながら達観したような態度を見せる猫猫とは対照的な、明るくて朗らかな雰囲気だが、虫の生態を細かく観察し記録する研究者のような一面も持ち合わせている。

 宮中のどの場所にどんな虫がいるか細かく把握し、紙に虫を精密に描き記録するほどの情熱を持つ子翠は、特に虫が多く出る宮中の北の廃墟には毎日のように足繁く通っているようだ。そんな虫への並々ならぬ探究心と熱意に、猫猫も思わず関心を示す場面も。テンポよく「見てみてこれなんて綺麗な色でぷっくりしてて可愛いいんだー!」と虫の魅力を次々に語る子翠は、まさに“虫オタク”である。原作者・日向夏氏のSNSでも「虫好き美少女」として紹介され(※)、その意外な一面にアニメ勢の間でも早くも人気キャラクターの予感が漂っている。

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